高木 望の回想
私の名前は高木 望。趣味は、読書で本屋巡りをすること。
こんな趣味だから、友達もできるのが遅いか、最悪できないかもしれないと思った。
だからね、中島さんに声を掛けられたら時は本当に驚いたんだ。
「ねぇ、その本好きなの?」
前から声が聞こえてきたため、おもむろに顔を上げる。目の前には、短髪の男の子が笑顔で話しかけてきたように見えた。
「えっ・・・う、うん」
男の子とあまり話した事がないからこの時点でパニック状態で、中島さんが何か話してた気がするけど覚えてないんだ。
でもね、少し、落ち着いて見てみたら違和感に気が付いたんだ。
(あれ?セーラー服?ってことは、女の子?)
それと、同時にこれを逃したら友達になれないと焦ったんだ。
「・・・・・この続編なら、来月でるらしいよ。」
(い、言えた!!自分から、話しかけれた!!)
そこから、仲良くなるにつれて分かったことがあるんだ。一つは、野球が好きってこと。もう、一つは、仲がいい男の子がいること。
野球に関しては、バックに付いているストラップについて聞いて、そこから、マスコットキャラクターの話から、なぜか、野球の順位の話までに広がっていって分かったんだ。
もう一つの男の子については、私の勘違いだったらいけないんだけと、他の子と比べて表情が活き活きしてるんだよね。本人の自覚は、ないみたいだけど。
「考え過ぎかなぁ?」
「何か言った?」
独り言が聞こえてたのか、中島さんが聞き直してきた。
「な、なんでもないよ!」
「そっかぁ?なら、いいや。」
(そうだよ!!最近、恋愛小説を読んでるから、そんな風に考えちゃうんだよ!!・・・・・・・でも、もし、もし、相手の子にアピールするような女の子が現れたら、中島さんはどうするんだろう?)
隣で歩いている友人の横顔を眺めながら、そんなことを思ったのだった。




