表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/32

14

「平和だなぁ~」

「唐突にどうしたの?」

昼休みを図書館で過ごしながらでた呟きが聞こえたのか、高木さんが聞いてきた。


「ん~と、高木さんって同級生にアイドルがいるって知ってる?」

「寺岡君だよね?話した事はないけど、テレビで最近よく観るよ?」

「私は観た記憶がないんだけど。」

「・・・・中島さんって、いつもなに観てるの?」

「スポーツチャンネル。」

「じゃあ、CMで観たことない?」

「基本的に、TVショッピングかスポーツ関係のCMしか流れてないよ?」

「本当に、野球が大好きなんだね。」

図書館に配慮するように、小さく高木さんは笑った。


「まぁね。話は戻すけど、私が寺岡君にカレーをあげた事で、寺岡君が懐いて私の所に来るようになって、ファンクラブから呼び出しがくると思って戦々恐々としたんだけどね。」

「・・・・・最近、何読んでるの?」

「ふむ。携帯小説の文庫本に挑戦してみたんだ。読まず嫌いは良くないからさ。」

「そうなんだ。あれ?でも来てないよね?」

「うん。代わりに立川君がお礼の品を持ってきたんだ。」

私は、ポケットの中からがま口の小銭入れを取り出した。


「可愛いね!でも何で立川君が?」

高木さんは首を傾げた。

「恩を仇で返すような行動はしたくないんだって。一緒に入ってたカードに書いてあった。」

これには、寺岡君を見直した。今度、会話するときは、若干優しくしようと思ったのは言うまでもない。

「だから、平和を噛み締めてたんだね。」

「そうだよ。平和じゃなかったら、ここで本なんて借りられないよ!!平和、万歳!!・・・・・あっ、本借ります。」

会話を切り上げて、顔馴染みになった司書の先生に本を渡した。




「中島さん、ごめんなさいね。今日から試験期間で本借りれないのよ。」


・・・・・・・・平和じゃなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ