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反抗

 「ちょっと、ちょっと。行弓君もその気にならないでよ。仲間割れ禁止だってば」


 リーダー、黙っていて欲しいな。俺は本気で戦いたいんだ。

 だいたいこの場はなあなあで切り抜けられても、この男を完全に俺を仲間だと思わせることは出来ないのだから、必要性を戦って証明するしかないじゃないですか。


 「お兄さん、馬鹿な考えは止めて下さい。貴方が戦って勝つには、正直厳しい相手です。確かにあいつは見た目や言動はかなり馬鹿っぽいですけれど、一応百鬼夜行の戦闘専門の係を受け持っています。全国の陰陽師を襲って、妖怪を解放し、そしてそれを出汁だしにして、捕獲不能レベルの妖怪を捉えよう。なんて考えを提案して、勝手にやっているのもこいつです」


 そうか、道理で男性二人以外の面々は、他の機関の陰陽師を襲うっていうのを強く語っていなかったという訳か。と言うより、俺が百鬼夜行に入ったメリットがようやくあった、こいつさえ倒せば事件をきっちり解決出来る訳だ。あとダモンがどれほど陰陽師狩りに対し、情熱を持っているかであいつとも戦わなくてはいけないかもしれないがな。松林の敗北と共に、きっぱり諦めてくれると助かる。


 だが、先ほど言った追継の言葉を俺は忘れたのではない。戦闘専門の係か。

 非常にまずいな、元の機関ではそんなにあいつが強かったイメージはなかったが、ここにきて捕獲不能レベルの妖怪と契約し、ありえない力を手に入れたのだろう、俺が烏天狗を持っているからって優位にはならないな。


 「おいおい、人聞きが悪いこと言うなよ、俺の作戦は確かに実績を生んだはずだぜ、鶴見牡丹の牡丹燈篭だって、五十鈴の『しん』だって、俺の案のお陰で百鬼夜行に入ってくれたはずだぜ、そこんとこを忘れて貰ったら困る。そしてクソ餓鬼、お前は本当の馬鹿だなぁ、誰に喧嘩売ってるのか分かっているのかよ、おい。お前に俺が負ける訳がねーだろ。見捨てないで下さいって泣いて許しをこうならまだしも、反抗してくるとは。馬鹿丸出しだなぁ」


 「ちょっと、ちょっと。二人でシチュエーションを作らないでよ。全くもう、折角新しい仲間との対面式だっていうのに。そんな理由での仲間同士の闘い禁止だって、認めません」


 ぐっ、やはり駄目か。リーダーからの許可がでない限り難しいよな。でも戦わないとお互いに気まずい関係になると思うのだが。それとも、リーダーは俺が敗北するのを見越して、俺を守ろうとしているのか。どうもそんな感じがする。


 


 


 

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