部屋割
5話終了
ここで俺はあることに気付いた。
男が俺一人だということだ。つまり個室には俺一人になれるということである。
これは良い、夜は一人でゆっくりできるぞ。
「部屋なんだけど、三つ借りたから。それで部屋割なんだけど、やはり男子と女子で分けるべきだと思うんだ」
よし、男子一人、女子四人。三部屋借りていることを考えて、少なくとも俺は一人確定だな。
「……でも、合流してくる二人がいるからねぇ」
何!! しまった、頭になかった、例の二人が来ることを、すっかり忘れていた。不覚だぜ。
「……あのさぁ、追継。残り二人の性別は?」
「二人とも男ですよ」
そうだったのか、なら俺は強制的にその二人の部屋になるかもしれない。
男子三人、女子四人。これを三部屋で分けるなら、男三人が固まる結果になるだろう。嫌だな、初めて会う人と共同なんて。
「じゃあ、追継ちゃんと五十鈴ちゃんで一つ。後から来る二人で一つ。そして、僕と鶴見君と行弓君で一つ」
「「異議あり!!」」
俺と鶴見の声が思いっきり重なった。しかし、鶴見の方が声が大きく必死そうだった。その声に圧倒され振り向くとそこには、目を充血させ今に泣きそうな顔をした鶴見がいた。
「嫌です、それだけは嫌です。男の子の隣で寝るなんて絶対に嫌です」
勿論、俺だって嫌だ。困るに決まっている。
「駄目だよ、鶴見ちゃん。これは当然の罰なんだから」
おいおい、それは俺にとってもぺナルティじゃねーか。
「大丈夫、行弓君が襲おうとしたら私が守るから」
「しねーよ、失礼な」
俺は紳士だ、そんな心の腐った男だと思っているのか。誰でもないこの俺が、女性が傷つく真似をすることだけは、俺のプライドが許さない。
「俺はそんなことしませんよ」
「ほら、行弓君も大丈夫だって言っているよ」
「いや、部屋割を変えて貰う案には賛成だけど」
「え!! そうなの? 行弓だけは異論なんかないって思ってた」
おい、俺もさっき異議ありって言ったじゃないですか。
「しょうがないですね、『男』、『女』、『お兄』の三分割で。お兄さんが未知の二人と一緒の部屋になります。かなりうざい二人ですけど宜しいですか?」
「あぁ、もういいや。それくらい我慢するよ」
へぇ、うざいんだ。そりゃ困ったな。まあでも仕方ないよな。
「じゃあそれでいいの皆? 私は正直、行弓君と違う部屋なのがちょっと残念なんだけど」
知ったことか、むしろ俺はお前と一緒になりたくないんだよ、変態。
そして俺は一人部屋に入った、そんなに荷物があった訳ではないのですぐに部屋を出たが、後で俺はちゃんと部屋を確認していなかったことを後悔することになる。
ベットが二つしかなかったのだ。
すいません
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