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提灯

 俺は戦車モードの火車達を、普通の車輪モードに戻し、バイクに変形させた。


 「間に合ってくれよ」


 そう声に出してみたが、恐らく討伐隊の連中はもう無事じゃないだろう。鶴見はともかく、提灯お化けの方は、随分と前に飛び立った。もうかなり時間を取られている。結局、牡丹燈篭はしっかり足止めの役割だけは、果たしたことになる。


 その時だ。携帯電話が鳴った。胸ポケットから慌てて、取り出す。相手はなんと、御上だった。

 

 「橇引行弓、無事か」

 

 「おかげ様でどうにかなりました。敵のトラップというか、呪縛に囚われていて。今、脱出したところ何ですが、まずいです。鶴見牡丹とその式神が、討伐隊を追ってます。交戦は必須です」


 「あぁ、分かっている。というか、今交戦中だ」


 何だと、じゃあ討伐隊との戦いに内の陰陽師も加わっているのかよ。


 「いや、今日の朝にも言ったと思うが、俺達はずっと鶴見牡丹と橇引行弓のこの両名を見張っていた。学校の頃からずっとな。そんな下校時間、敵といちゃいちゃ並んで帰りやがって、自分が狙われていることを忘れたか、この馬鹿。とか、思っていた」


 なるほど、俺はずっと見張られてたのね。まあ、当然か。囮になれって言われてた、訳だし。囮の動きを仲間が見ておくのは、当然か。

 

 「そしたら結界班から一名の侵入者ありって連絡があった。どうも討伐隊の連中だったらしい。こっちで話を着けますって説得しようと思って、直接俺に会いに来る予定だったんだがな。俺を見つける前に、鶴見を目に入れてしまったらしい。つい、かっとなってしまって、攻撃したってよ。訳ありとはいえ、規則違反だから、俺と部下三人で取り押さえた所に、今度は鶴見の式神が襲ってきたって話だ」


 なるほど、別に鶴見は全員が討伐隊だって、見抜いていたのではなかったのか。

 やはり、鶴見は一度、討伐隊の連中と交戦していて、ほぼ全滅に追い込んだのだろう。そいつは、その生き残りだったって訳か。仲間の敵討ちが目的だったのか。気持ちは分かるが、本当に仲間のことを思うなら、やはりあんな不意打ちとかじゃなくて、正々堂々戦うべきだと思う。


 「で、どうなっているんです?」


 「それが、また話が二転三転するんだけどよ。途中から参戦してきた飛鳥が……鶴見牡丹とサシで戦い始めた」

 …………。は?

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