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特に何もしない陰陽師  作者: 太刀風居合
第二十一話
392/462

作動

 ★

 「じゃあこれより百鬼夜行の特別会議を行います。おっと、その前に話しておかなければならない事がある。何でいきなり鍋を取り出したかって理由にも繋がるんだけどね」


 食事を終えた後に片付けを済ませた、どうやらこれからの具体的な動きを説明して貰うらしい。この学校まで移動する時のトラックの中では団体行動をするとしか説明されなかったので、ここからが重要な説明だと言える。まあ何となく内容は予想できるのだが、嫌な予感という思いで。


 部長には申し訳ないが、ご退場願った。何となく言葉を濁しつつ戸締まりを訴える部長を意味不明に説得し、先に帰って貰った。今では俺の代わりの部員である飛鳥が説得に協力してくれたのが、大きかったと思う。それ以外の学校関係者にもおかえり願った。記憶は消去され、今日は一生懸命に仕事をしたという暗示だけを持って、家に帰宅するのだろう。


 問題は鍋の件といい、記憶消去の件といい、計画を思いの外早く進めている事だ。初日からパッ~っと盛り上がりたい気持ちは分かるが、方法はいくらでもあったはずだ。あの鍋はおそらく前祝いではなく晩餐の意味合いだ。部長だってあんなに強引に帰らせる必要は無いだろう、今日くらいはカモフラージュに飛鳥も同伴して帰らせるのが妥当だ。それをしなかった、飛鳥を残して部長を帰らせた。


 つまり、状況が加速している。松林が思ったより早く行動を開始したのだ。スパイとして送り込んでいるダモンから情報を得たのだろう。それか移動作戦のために捨ててきた前のアジトに仕込んできたトラップが作動した、それを感知して危機だと分かったとか。


 俺以外のメンバーは皆、この危険な事態を知っているのかも知れない。だって俺は不信感を浴びる訳にはいかない存在だからだ。俺の恐怖が直接的に柵野栄助のパワーへと変換させる。俺がこの瞬間に悟ってしまったので、作戦が意味が無くなってしまったが。


 「もうバレているとは思うけどさ。松林の馬鹿がこっちに向かっている。この笠松高校はともかく、笠松市に潜伏している事は判明したと考えるしかない」


 やっぱりか、俺たちって何でこんなに居場所がバレるスピードが早いんだ? 小説とか漫画では、よく乗り物とかが大破するシーンはよく目撃するが、潜伏している場所がすぐにバレるのは……よくあるか。


 「でもダモンさんは我々が安定してこの場所に到着した事を確認してから、徐々に笠松に潜伏しているって話す予定じゃなかったですか? 早すぎるでしょう」


 鶴見の発言に、リーダーがものすごく嫌そうな顔をした。


 「その手筈てはずだったんだけどね。どうやら原因は別にあるらしい。発信元は……私の夫かな。それしか考えられない」


 理事長が!! どうして!!

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