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特に何もしない陰陽師  作者: 太刀風居合
第二十一話
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謹慎

 「それでチャッピーさん、どうしてこの町に来たのか。理由を説明してくれませんか? どうもあなたの取り巻きの二人は私と不仲なので、会話しずらいです。あなたが一番、冷静に話せそうなので」


 「それに関しては申し訳ない。俺みたいな下っ端に作戦内容を外部に漏らす権利はないんだ。もうすぐ百鬼夜行のリーダーがこっちに来る、そしたらちゃんと説明するから。安心しろよ、俺もちゃんとその話し合いの場に参加する、お前を悪いようにはしない」


 ここで安心を促すのは逆効果かもしれない、不安感を煽る行為だったかもしれない。でもこれが俺の本心だ、嘘をつく事は苦手なんだ。下手な事を言って、飛鳥を言いくるめる事なんて不可能だ。もう素直に思っている事を自白した方がいい。


 実際にリーダーが飛鳥を無理矢理に口封じにかかったら、俺が飛鳥を庇おう。飛鳥はたまたまその場に居合わせた飛鳥が、痛い目に合っていい道理はない。痛みの伴わない気絶や記憶消去ならともかく戦闘は絶対に駄目だ。怪我や傷を負ってみろ……。どうしよう……。


 「百鬼夜行のリーダー、あの男装癖だんそうへきの人ですか。今の笠松の統率ができていない機関状態では、あの烏天狗の山にいる悪霊を退散できません。ここはお力添えをしてもらいましょう。もしかしてあの悪霊を倒しに来たのですか?」


 もう男装はしていないよ、でも振払追継の姿をしている音無晴香を見たら、飛鳥はどんな顔をするのだろうか。さすがに驚くだろう、百鬼夜行のリーダーが今そこで部長にデッサンのモデルにされている二代目の母親と知ったら。


 「まあ気付かれているならいいか。そうだ、目的はそれだけじゃないけど、俺たちはそこにいる柵野栄助っている悪霊を淘汰する為にこの町に来た」


 いや、そいつを倒したら全てが終わりだ。レベル3の悪霊は人類に対して無害であろう面来染部のみだ。事実上の全滅を意味する。世界の平和が守られる瞬間が訪れようとしているのだ。まあ相手が相手だからそう簡単にはいかないだろう。それに俺達が抱えている問題はそれだけじゃないしな。


 「悪霊に個体名がついているなんて、珍しいですね。いいでしょう、私も出来る限りの協力はします。陰陽師機関として悪霊退散に尽力を尽くすなら、志は同じです。丁度、暇してましたし」


 「いいのか? 謹慎は?」


 「駄目ですよ、でもさっきも言ったでしょう。もう笠松陰陽師機関は内部崩壊しました。もう私の単独行為を咎める余裕はないのですよ。それにこの学校で百鬼夜行が何をするつもりなのか気になります。まあ地元の監視官の役割だと考えて下さい」


 

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