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真相

まさか百鬼夜行のリーダーが、あの男装変態が……悪霊を狩っている悪霊。ありえる、むしろ今までの疑問が全て解消されるようだ。ヒントは転がっていたのだ、俺が分かろうとしてないだけだったのだ。


 「知っておったよ、分かっておった。百鬼夜行の長であるあの女が悪霊である事なんて。分かっていて、黙っていた。特に何を狙っていた訳でもないが、これは行弓には黙っていた」


 「またーまたー。どうせただでさえ悩み多い青年だった行弓君に、これ以上の精神的な負担を掛けないってのが目的だったくせして。まあこの世には『知らない方が幸せ』って話は、ザラにあると思うけどね」


 それでも俺は知りたかった、知った事で楽になることだってあるはずだ。もっと別の理由があったはずなんだ。ここからは真剣な話だと思い、後ろにいた面来染部と久留間点滅は静かになった。


 「違う。本人に口止めされていたのだ。行弓に再開する前からあの親子の事はしっていた。ワシが預けられたのは、あの娘だったのだから」


 「あれ? やっぱりあの格納庫で見たあの女の子は悪霊同士の娘だったか。それで彼女はどっちなんだい? 人間かな? 悪霊かな? というか、悪霊同士で子供って作れるのかよ。本当に音無晴香には驚かせられる」


 そうだ、思い出した。この話の流れからもう一つの分かった事がある。やはり理事長も悪霊だったのだ。そう面来染部は始めて出会った時に見抜いていた。その時に奴の言った言葉は本当だったんだ。


 そしたら、本当に二代目振払追継は悪霊同士の間に生まれた子供って事っていうのは、どういう事だ? 一代目振払追継はもう御老人だった、二代目振払追継はあの通り小学生である。その間に生まれた空白ブランク。その正体は、誰なんだ?


 思い出せ、俺が今まで戦ってきた全てから、情報をかき集めるんだ。まず相良が戦う前に烏天狗が言った言葉……、『やっと全てが繋がった』。これはどういう意味だ? 奴はあの時に悪霊である理事長を見て何を悟った?


 リーダーは悪霊、理事長も悪霊。で? 二代目振払追継は悪霊同士の子供。音無晴香、その名前に関わるもう一つの違和感。俺はそれではない名前をもう一人、知っている。今になって鮮明に思い出した。


 晴菜ちゃん??? 


 追継に向かい父親である理事長はそう言った。二代目振払追継の本名が『音無晴菜』だったとしたら。奴の母親は……百鬼夜行のリーダー……。


 繋がった……、これで繋がった。理事長室の写真立てに見たあの赤ん坊を抱いている振払追継は、リーダーの本当の姿だったんだ。渡島搭吾と音無晴香。それと音無晴菜の三人が写った家族写真だったのだ。百鬼夜行のリーダーこそが、空白の振払追継の正体だ。そして悪霊でありながら、悪霊を全滅させようと裏で行動していたのだ。これが全ての真相だ。

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