表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
314/462

憑依

番外編を読んで下さってない方は、

後書きにネタバレを含みます

上体を起こした、痛覚を共通していなくても分かる、やはりノーダメージなのか。あの神聖な歴史上最強の妖怪である麒麟に突き飛ばされて、痛いなんて宣言している方がおかしいのだ。


 「どうしちゃったんですか、お兄さん」


 「分からない。だが、ある程度の目星はついている。こんな真似をできるのは、全世界中で三人くらいだ。お兄さんと、晴香さんと、…………あとは柵野栄助しがらみのえいすけだけだ」


 そんな事って、悪霊が格納庫の中に入れるという奴か。そう言えば気になっていた事がある。面来染部と綾文功刀が言っていた台詞だ。理事長は……悪霊という奴だ。理事長は問題なく格納庫に入っている、今も現在進行形でだ。だから俺はいくらか散らばっていたヒントを拾い上げずに、理事長が悪霊だという可能性を疑わなかった。


 だが、今のニュアンスだと、まるでもう一つの人格の俺と正体不明の晴香って人。そして理事長が悪霊みたいじゃないか。まるで悪霊なのに格納庫に入る技術を身に付けたみたいじゃないか。


 そもそも晴香って誰だ? 綾文功刀も何回か言ってはいたが、どんな野郎だよそいつは。まさか俺の身近にいる人だったりするのか。


 「おい、どういう事だよ。俺の別人格野郎!! お前はいったい何者なんだよ。俺の体に何をしやがった!!」


 相変わらずの安定の無視である。俺とは全く、会話をする気がないらしい。そもそもこいつにも名前があるようだ、そう言えば……確か……。


 「お前はやはりこのタイミングを狙っていたか。お前がこのタイミングで復活するなんて。やはり『畳返』での封印なんて、お前に対してのは温かったか。やはりお前はだけは殺すべきだった。史上最悪の悪霊……柵野栄助しがらみのえいすけ


 そうだ、柵野栄助だ。そいつが俺の精神を奪いやがったんだな。というか、復活とか封印とか、なんかそんな言葉を俺は聞いた事があるような。理事長は畳返なんて言ったな、確かの相良十次の禁術だったはずだ。それが、どう関係あると言うのだ。


 「そうだね、あの時は驚いたよ。まさか私が洗脳している人間を殺してまで、私を封印しに来たからねぇ。ただの一般人の高校生の女の子だったのに、可哀想な事だ。操ったのは私だけど、----、ヤバッ、素に戻っちゃった」


 おい、お前まさか……名前ないって言っていたくせに。ようやく俺の人格を支配した人間が分かった。奴はあの相良の畳返の中に入った時に出会った、あの死体みたいな悪霊の女だ。あの桜色の着物を着た、傷だらけの悪霊だ。どうして奴が俺の意識の中に……。


 「じゃあ今回もこの橇引行弓君でも殺して私を封印するかい? 私は既にもう、橇引行弓だというのに。まあ、いいや。これからの目的も出来たし、新しい体も手に入れたし。少しは『自由』って奴を堪能させて貰うよ。でもまぁ、折角の凱旋だし、暇潰しの自己紹介と宣戦布告でもしておこうか。私の名前は橇引行弓、そして柵野栄助。能力は『憑依』を司る」

悪霊辞典


 綾文功刀 『操作』 侵略操縦機


 面来染部 『回避』 絶対回避信号


 音無晴香 『変化』 ????

 

 渡島搭吾 『??』 ????

 

 音無晴菜(過去) 『愛情』 なし


 柵野栄助 『憑依』 ????

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ