表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
265/462

目星

火車……そんな事が出来るのかよ!!


 「あの……行弓ちゃん。そんな事が私に出来る訳がないでしょう。私達の仕事は死した人間の魂を運ぶことだけどさ。勝手に持ち出したりする事が許される訳がないでしょう」


 お札から火車の反応があった。確かに火車がそんな無鉄砲な要望に応えるとは思えない。そんな事はただの職権乱用としか言われないよな。つーか、もう死んでしまった魂なんか回収すること何の意味がある。


 「すみません、火車が無理だって言ってます。それに魂だけを持ち出したって仕方ないでしょう」


 まあ折角リーダーが考えてくれた作戦だが、却下せざるおえない。


 「あのねぇ、僕が何を一番気にしていると思う? 本当に犯人の目星がついていないと思うかい? 分かっているさ、誰が殺したかなんて。そいつは悪霊の中でも『操作』の能力に特化した悪霊」


 犯人が分かっている……、つまりリーダーが確信にいたるまでの決定的な何かがあるという事だ。俺達に頭首殺害の容疑を被せた奴。少なくとも、俺達の敵だという事になる。その『操作特化』とか言う奴は、俺達が奴等を討伐しようとしている事に勘付いているのかもしれない。


 「その犯人がいる場所は可能性で二つしかない。まだ御門城にいるか……。それか、阿部家の『現界と霊界を繋ぐ』能力を狙って殺した後に、霊界まで追って行き魂を狙っているか」


 魂を狙っている? よく意味が分からないのだが……。説明を要求する前に五百機さんが教えてくれた。


 「レベル3の悪霊は他の霊力を持つ存在の全てを、しもべにすることが出来る。前回の君が学校で、回避特化の悪霊に遭遇した時にされようとしたことさ。奴は御門城に乗り込み、命を奪った。だが単純に考えればオカシイだろう、レベル3の悪霊なら殺さずに媒介にすればよかっただけの話だ」


 確かに、特に能力が目当てだったというのなら、なおさら殺さずにその自慢の操作する能力とやらを利用して操ればよい。俺なら殺さない。


 「だが、奴はアテが外れたのさ。まあ簡単に言うと頭首様は奴等の想像を遥かに超越するほど雑魚と変貌していた訳さ。奴は狙いであったターゲットは悪い意味で効果を発揮する個体じゃなかった。ガードできると思って放った威嚇射撃が防げずに……、とかかもしれないけど」


 散々な言われ様だな。死んだ人を悪く言うのはあまり感心しないな。

 

 「そして奴は殺してしまった後、次の作戦に切り替えた。人は死んだ後に魂だけの姿になる。そしてその魂をバラバラに切断して能力だけを回収して、自分に埋め込む気だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ