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放火

目目連を破壊する、そりゃ俺だってそうしたいのは山々だ。まさかあいつらを全て倒せばこの空間から抜け出せるとは、これはありがたい情報だ。


 「でも……」


 俺が一回目に反撃した時に、奴は分散して逃げやがった。仮に逃げ送れたかもしれないが、障子から無限に再生しているようにも見えた。正確な数も知らないし、攻撃パターンを完璧に分かる訳がない、しかも目からビームは全方向からの散乱弾だ。俺に攻撃のターンが回ってくるとは思えない。


 「困った、困った。じゃあどうやってあの眼球集団を攻略しようか~。あの狭い空間じゃどうしようもない、別の障子を開いて逃げ場を確保しても状況は何一つ変わらない。そんな得体も知れない妖怪を倒す方法は……」


 俺も全方向に攻撃を仕掛ける、または俺が全方向からでの攻撃にも対応できるような防御結界を張る。一体の漏れも無く、そして確実に仕留める。


 「無理だ、今の俺の手持ちじゃどうしようもない」


 烏天狗の旋風や火車の車輪モードは広い場所でこそ意味を持つ。狭い空間じゃスピードも威力も出ない。加えて、俺の妖力吸収も相手に接近しなくては意味が無い、相良が姿を消し目目連に攻撃を当てる事すらままならない現状で、技が決まるとは考えにくい、従って戦車モードなどの大技も発動不可能。あとは先ほどのように火車の般若モードを叩きつける……は失敗、鬼神スキル蓮柱で剣を作って……作ってどうなるってんだよ。


 「あはは、君は確か火車を式神にしているんだろ?」


 「えっ、はい」


 「じゃあ勝ち目がある。簡単な話だよ。君はその火車を利用して、放火魔になればいいんだよ。この空間を破壊してしまえばいのさ。君の一番駄目な考え方は目目連と戦っておきながら、目目連が目玉だけだと思っている事さ」


 目目連、奴の本体は……障子!!


 「じゃあ奴を倒すには、目玉を倒すのではなく、そもそも所構わずに炎を撒き散らして……」


 煙は上昇する動きが人間の動きに比べて極めて速く逃げきれない。目目連を消滅させる前に、俺が一酸化炭素中毒でくたばってしまうよ。


 「それ以前にそんな事をしたらあんたがこの空間から逃げ切ってしまうだろ」


 「……逃げる~、うん。出来る物なら僕もそうしたいね。でもさぁ、私ってほら、この空間から結局は逃げ出せられないんだよね。いや、逃げたいよ私だって。もう半年も昼寝以外に暇潰しがないしね。いや、冗談じゃないよ。私はさぁ、ほら。そこいらの悪霊よりも数倍強い能力を手に入れてさぁ、それと同時に精神というか感情までも成長してしまってさぁ。挙句の果てに牢屋行きだよ。感情なんて物が成長してしまったせいで、このザマだよ」


 ……あれ? 愚痴言われてる!!

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