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繋がり

「あのさぁ、この学校は百鬼夜行の傘下機関なんだよな。根っこでは繋がっているはずだろう。なのにどうして昇進って意味じゃないにしても、実力を見とめて貰えたからの機関移動で、こんな周り諄い事をしているんだ」


 目目連の使い手は誰かって事すらもはっきりしていないおかげで、俺達はこんな面倒なことに巻き込まれている。せめてちゃんと教職員くらいは、生徒たちの式神について把握しているのだろうか、そこからして疑問だ。


 「お答えします、お兄さんは何か勘違いされているようですが、この学校は百鬼夜行に関連こそしている物の、深い繋がりで結ばれているわけではありません。だから優秀な生徒を百鬼夜行に引き入れる場合は、勝手に奪い取っているだけで、正式な手続きをしている訳でも、細かい取引をしている訳でもないというのが現状です。理事長、つまり私の父はそれを黙って容認している訳です」


 じゃあ鶴見は元はこの学校の元生徒でありながら、牡丹燈篭を捕獲した事により、百鬼夜行から引き抜かれたって訳か。


 「私はともかく鶴見はこの学校の元生徒です。お兄さんと同じで普通の機関に在籍していましたが、元から家族が陰陽師ではなかった事からその才覚はなく、機関を追い出されてこの学校に流れてきました。そこからはこの学校……いえ、正確には中学校くらいから妖怪との絆を持つということを身に付けられたこそ、牡丹燈篭を手に入れられた訳ですよ。わずか10歳で烏天狗を従えたあなたのようにね」


 従ってくれた事なんて一度もないよ、お前ら本当に俺と烏天狗の絆を誤解してないか。あいつは俺みたいな餓鬼に折れるような妖怪じゃないぞ。


 「とにかくこの学校はお兄さんが思っているほど、百鬼夜行を意識していないということを頭にいれておいて下さい」


 そうなのか……まあ理事長の娘がそういうなら、そうなのだろう。


 まあそんな話をしているうちに、ゆっくり歩いていたつもりが俺の教室に到着してしまった。


 「ここだよ、追継」


 「雑談が過ぎました、本題に戻りましょう。教室に目目連がいたっておっしゃってましたが、本当何ですか」


 俺の返答を待つ前に、教室のドアを開いた。まだ教室の中に残っていた、生徒が一瞬、こっちを見る。廊下にいた時にも違和感を感じていたのだが、どうしてこの学校の連中は、狐耳フードの恰好をしている小学生が横を通り過ぎて動揺しないのだ、少しは驚けよ。


 まだ黒板には目目連が張り付いていた、使い手はまだこの教室に残っているかもしれない。

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