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気兼ね

とりあえず追継に俺の今日で得た情報を追継に話した。特に教室の奥の黒板に目目連が張り付いていた事について。そしてクラスの中でも使い手が不明であるという事も。


 「それで俺は、俺の教室の中にその目目連の使い手がいると踏んで、考えているというわけだ」


 「そうですか、まあその可能性はありますね。取り敢えずその教室に行ってみましょうか、何かヒントがあるかもしれません」


 その一言と共に追継は、まだ小学生でありながら意気揚々と高校の中に入っていった。おそらく俺の教室に向かおうとしているのだろうが、関係者以外の方は無断立ち入り禁止じゃないのか。


 「ん? あぁ。私がこの学校に入れる理由ですよね。実はここの理事長が私の父親なんですよ、だから後で口裏を合わせれば問題ないです、私は許可を貰ってここに入ったと」


 「お前に父親とかいたのか、この学校の理事長っていうよりも、そっちにびっくりだ」


 「そりゃ私みたいな奇想天外な人間にだって、父親くらいは存在しますよ。あの男は父親の容量を得てないですけどもね。それよりも目目連のいるクラスとやらに行きましょう」


 別に偏見や差別の意味でそんな事を言ったわけではない、ただ不可解だっただけだ。一代目との記憶ではあるが俺の知っている振払追継という人間は、名前を伏せ、顔を隠し、感情を殺す、そんな陰陽師だった。そういうイメージが強かった。だからこの二代目が何の気兼ねも無しに自分のプロフィールに一部を公開したことが不可解でならないのだ。


 まあ同一人物でない人間を、同じ捉え方している俺のスタンスが間違っているのだろうが。そういえばもう一人、プロフィールを語らない人間がいたな……、俺達百鬼夜行のリーダー。


 「そういえば今回の探している奴って鶴見と同じでこの学校の生徒なわけだよなぁ。もしかしたらこの学校って強い奴を引き抜いているのか?」


 この学校の人間の全てが百鬼夜行の名前を知っていた、だが百鬼夜行の傘下の中にいる陰陽師達でありながら、自分達が百鬼夜行の陰陽師であるという自覚はなかった。


 百鬼夜行のメンバーは全員が捕獲不能レベルの妖怪を所持している。推察するにこの学校では陰陽師としての理論として、捕獲不能レベルの妖怪を捕獲する為と明確には決定づけてはいないものの、それに準ずる妖怪との絆を重視した方針で鍛えている。そしてこの学校の生徒の中で、もし捕獲不能レベルの妖怪を手にした場合に、特権みたいなのが発生して百鬼夜行に迎えられるってシステムではないのだろうか。


 この推察が正しいかった場合に、また疑問が沸いてくる。


 どうして俺達はわざわざこんな周りくどいことをして、百鬼夜行に引き入れる作業をしなくてはならないのだ?

 

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