目玉
なんだと、全員が陰陽師なのか……。
現状を冷静に分析してみようと思う、クラスメート全員が……陰陽師。それもしくは、何かしらの関係者。全員が妖怪についても把握していて、場合によってはそれ以上の鬼神スキルや、他の霊力やその他の小道具も知っている。
「先生、ここは学校という名の陰陽師機関なんですか?」
「いやー、私はこの学校が設立する際からいた人間ですが、この学校で転校生を預かったのは君が初めてで。まあ、どういう対応すればいいのか分からないのは、私も同じだよ。そもそも君達がこの学校初めての転校生なんだ。遠方より来てこの学校に馴れるのは至難を極めるだろうが、ここは一つ頑張ってくれないだろうか」
答えになってない……が、遠回しに『正解だ』と言ってくれているような物だろう。この学校は普通の学び舎として捉えるのではなく、若い陰陽師の訓練施設だと思った方が賢明だろう。
「先生、大丈夫だよ。別に橇引君だって陰陽師なんでしょ。専門用語も知っていることだし、すぐにこのクラスにも馴れるに決まっているさ」
一番前の席に座っていた女の子がそう言ってくれた、それから後ろ皆もなんだかんだ同じようなニュアンスの事を言ってくれる。まあ気になる事と言えば、寧ろ奴らが俺の事を陰陽師だと思っていなかったということや、俺を敵対している空気ではないことか。
「この学校の校則を知らないんだから、たとえ陰陽師であっても驚くのは無理ないよな。お前はあいつが野放しになっているのが気になったんだろ」
俺の目の前にいたヤンキーみたいな雰囲気を醸し出している男が、親指で真後ろを指さした。その先にいたのは、あの巨大目玉である。
「クラスの皆でどうやってあいつの存在を認めて貰うか、話し合ったんだけどさ。やっぱりもう隠さずに正面から見て貰うのが一番かなって。下手に誤魔化して怖い思いをさせるよりも、一回バシッと見て貰うのが一番だよなって」
「それは……気遣いをどうも……。それで奴の陰陽師はどこなんだ? この学校が陰陽師の機関の一部だって所までは分かったけどさ、授業中にまで出現させていいのかよ。先生の話を聞く時くらいはお札にしまえって使い手に言いたい訳だが」
折角、積極的に話掛けてくれたので、俺もフレンドリーに接することにした。
「分からない」
「え……分からないって」
「奴が式神になっている以上は、正式な陰陽師のパートナーがいるのは間違いないんだが、この学校の誰かは誰にも分からない。奴はこの学校のそういう奴だからな」




