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左遷

少しの間、主人公変更です。

 過去編をやらせて下さい

 時は五年前に遡る。笠松町陰陽師事務所にある男が派遣された。

 その男は優秀だった、実績は高く、才能もある、家柄も申し分なく、式神も陰陽師として恥じないものだった。

 だが、その男は恥ずべき弱点があった。

 

 彼は途轍もなく、『面倒事が嫌い』な性格だったのである。



 「こんなところで何をしているの? 特に何もしない陰陽師」


 「いやぁ、参った。俺、左遷になった」


             ★


 「渡島搭吾とじまとうご。二十二歳、独身。地元では若手ナンバーワンとして、史上最年少で本家直属の陰陽師に出世し、史上最年少で本家直属の陰陽師をクビになった男か」


 「はい、御上よるべさん。いやぁ、やっちまいましたよ」


 そこは大広間、というか面接会場。

 そこは普通の畳に、和室によく使われる長脚。あとは、障子に高級そうな習字と絵画と花瓶くらいだろうか。

 今日、本家から降ろされた陰陽師を笠松町陰陽師機関では引き取ることになったのだ。不本意ながら……本家の命令だから仕方なく。


 「私、本人の意向としては君のような集団行動に向かない性格の奴を機関に入れるのは、組織の混乱と秩序の崩落を招きそうで、御免蒙りたい訳なのだが。陰陽師という職はチームワークは最も重要だ、それを率先して守らない君のような人間を私は部下に欲しくない」


 「違いますよ、よるべさん。俺は現代に合わせた、新しいチームワークを目指している訳です。ルールと厳しさで埋め固めた団結力よりも、ロックでクールなカッコいい団結力って奴を今後に生かしていこうぜっていうね?」


 「何なんだ、そのロックでクールな何とやらは」


 「いやぁ、この俺の目指す団結魂っていうのは、言葉にせず、声にせず、数値で測らず。ただ心だけで分かり合うっていう所に異議がある訳で。お兄さん的に言うなら、ここでよるべさんに説明しちゃったら本末転倒という現象でして」


 「お前、今すぐクビになりたいのか?」


 「……すいませんでした」


 笑いながら、頭をかくこの男。積極性は微塵も感じられない。

 これでよく、あの阿部家の御膝元に勤務していたものだ。いや、出来なかったから左遷されたのか。馬鹿な男だ、才能だけは人一倍あったというのに、こんな性格であったが故に、人生に恵まれないとは。


 「追継さん、どう思います?」


 「……、本家の意向には逆らえません。任務を与えれば働きはするでしょう。様子を見るという形で……」


 私とこの男、どこか正反対な気がする。

 任務の為に心を捨てた、私。心だけで自分を主張するこの男。


 「おぉ、ありがとうございます。えっと……」


 「……、振払追継です。偽名で申し訳ありませんが」


 「いいえ、よろしくお願いします。追継さん」

 えっと今回の語り手は振払追継です。一代目の


 何か主人公変わってますけど、しっかり、飛鳥や行弓の過去編なので


 お楽しみに

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