ぷろろーぐ 之 弐
目を覚ますと俺は、真っ白な空間に居た。
「…知らない天jy「天井なんて無いのですが?」…」
せめて言わせてほしかったなぁ。なんて思いつつ声のした方向に振り向く。
綺麗な金色の髪を足元まで伸ばした神々しい美女が居た。
瞳は燃える様な紅だ。
「確認なのですが、あなたは凪都 項という名前で間違いないですね?」
「は、はい、そうですが。あなたは?」
いや、そもそも、何でこの人俺の名前を知ってるんだ?
もっと言えば、ここ何処なんだ?
「あ。あなたの質問には必要なこと以外答える気は無いですから、私の質問にだけ答えてくださいね」
「それは…俺が何を聞いても信じないからですか?」
すると女性は特に眉1つ動かさず、「そうよ」とだけ答えた。
…要するに無駄な情報はくれない訳だ。
いやに冷静な自分自身にちょっと呆れるな。
まあ、失せモノ探しをしてるときにこういう事に慣れちまったんだよな…
「さて、それでは、一つ目の質問です。あなたは、別の世界に行くのならどんな世界に行きたいですか?」
「は?なんd「いいから、答えなさい」…はい」
本当に余計な情報くれないな。
ちょっとぐらい向こうの目的とかを知りたいんだけど。
仕方ない、諦めてちゃんと考えよう。
それで、行きたい世界だっけ?
それなら、
「特に、今までの世界と変わらない世界がいいかな」
「なるほど。次は、その世界に何か能力をつけて行けるとしたら、どんな能力がいいですか?」
の、能力…?何でそんなこと聞くんだ?
新手の心理操作か?
能力、ねぇ。
「言霊で、現実を書き換える能力…とか?」
「そう、その調子。それでは最後の質問です。そこに、今までいた世界から持って行けるとしたら、何がいいですか?」
今度は物か。
特に持って行きたい物とか無いんだよな。
…娯楽品でいいか。
「なら、その世界で役立ちそうな本を」
「う~ん、まあ、大丈夫です」
何が?とは聞かない。
どうせ答えてくれないだろうし。
「まだ少し時間がかかりますね。1つだけ、あなたに質問を許します」
「え!?質問しt…」
あ、危ねぇ…質問していいのか?は質問だ。
「あなたの目的は何?」
「ある女の子の願いを叶える事」
「え…?」
「あ、時間ですね。それでは、頑張ってください」
その瞬間足元に穴が開いて、
「な!?あぁぁあぁぁぁぁぁ……!!」
俺は、落ちた。
‐項が落ちた後の白い部屋‐
そこには、金色の髪の女性の他に、銀色の髪の少女がいた。
女性の髪が太陽の様だとするなら、少女の髪は流星の様な少し儚さが混じったような髪だ。
瞳の色も落ち着いたペリドットの様な色で、その印象は真反対だ。
「ふう、外史に飛ばすのも大変ですね。付与したモノの使い方とか書いた紙でも理解が出来る年齢になったら送りましょうか?」
「………?」
「?大丈夫ですよ、心配しなくても。私がミスしたこと無いでしょう?」
「………。…………。」
「もう、心配性ですね。分かりましたよ、確認しますよ――あ」
「…?」
「時間軸、間違えちゃった…」
「…!?…………っ!?」