その1
「え? じゃあその時間に金井昌子が学校にいなかった事は確実なんですか?」
「そういう事になりますわね。少し妙な方向へ話が進んでしまいましたけれど」
新聞部の部室で紅茶を淹れて待っていた静先輩から話を聞いた僕は、その内容にひどく驚かされた。正直まったく想像していなかった話だからだ。
先輩の調べによると、奥山宏美の事件があった日、金井昌子はとある場所で向坂絵梨と会っていたと言うのだ。ちなみにそのある場所というのが、なんとラブホテルである。
つまりはあの二人は同性愛者だというのだ。さすがににわかには信じがたい。何せ金井昌子も向坂絵梨も、天夜彰吾という男性と肉体関係にあったのだ。同性愛者というものは異性に興味がないから同性愛者と言うのではないのだろうか。
「あら、そんな事はありませんわよ。程度にもよりますけれど、別に同性愛者だから異性とは絶対に付き合えないというわけでもありませんわ。世の中には同性愛者でもちゃんと家庭を作って子供もいる方はごまんといますもの」
「そうなんですか?」
世間一般のイメージとはずいぶんと違うようである。結局のところは単なる趣味嗜好であって、個々人を構成する一要素しかないという事だろうか。
「金井昌子の方は本人に聞かなければなんともですけれど、向坂絵梨は同性愛者になった明確な理由が存在しますわ」
「理由、ですか?」
「ええ。彼女はいわゆる相貌失認の発症者ですわ。細かい理屈は抜きに簡単に言ってしまえば、彼女は男性を完全に認識出来ないんですの。向坂絵梨にとって男性は声と気配だけの透明人間と同じなのですわ」
相貌失認。あまり聞いた事のない病名だが、男性が認識出来ないというのはどういう事なのだろうか。
いや、確かに今思い返してみればあの時の向坂絵梨の態度というか反応は、その瞬間まで僕の存在に気が付いていないかのようなリアクションに見えなくもなかった。だが、それでも最後の方は僕の事を観察していたのだから、その時はちゃんと僕の事が見えていたはずだ。あれはどうなのだろうか。
「あれはシロ君の前にクロちゃんがいたからですわ。向坂絵梨はクロちゃんからシロ君の声が聞こえたから驚いただけですのよ。それに、最後に言ってましたでしょう? 『お二人さん』って」
ぴっと静先輩が二本の指を立ててきた。
うん。確かに言っていた。あの時はまるで気にしなかったが、あの場には僕とクロと静先輩がいたのだから『お二人さん』では数が合わない。
しかし、まさかあの人がそんな精神的な疾患を抱えてしまっているとは思わなかった。
つまり向坂絵梨にとって世界には女性しか存在していなくて、それゆえに愛する対象も必然的に女性にならざるをえなかったのだろう。
「だけど荒神高校って共学ですよ? 向坂先輩は仕方がないにしても、早々都合よく金井昌子も同性愛者っていうのはどうなんですか?」
「確かに男子校や女子校という、教師を除けば同性しか存在しない環境の方がそういった芽が出やすいものだとは思いますけれど、最近はそんなに珍しいものでもないと思いますわよ。英語の山名薫先生と音楽の姫川桜先生もお付き合いしている同性愛者ですわ」
「げっ。それ本当ですか?」
知りたくもない事実を僕は知ってしまった。まさに藪を突いて蛇を出してしまった気分だ。同性愛者ではない僕には申し訳ないが思わず想像してしまった映像に気持ち悪さしか抱けない。
何せ山名先生も姫野先生も男だからだ。女の子同士が絡み合う姿は自分が男なのでまだ許容出来るものがあるが、同性である男性が絡み合う姿は許容しかねる。
「そうですの? 私は別にどちらも特には思うところはありませんけど」
「偏見を持っていないという意味ではそちらの方が人として正しいとは思いますよ。けれど生理的に受け付けないものはどうしようもありません」
僕は小さく頭を振ってそれ以上の想像を振り払う。
「ああ、そういえばあの時向坂先輩って静先輩に何か頼み事をしてるような感じでしたけど、あれって結局なんだったんですか?」
「ああ、あれですの? 向坂さんにはちょっと朝霧家の息がかかった病院と先生を紹介しただけですわ」
病院という言葉を聞いて、僕はなるほどと納得した。
おそらく向坂絵梨は自分の抱える病気の治療のために静先輩を頼ったに違いない。朝霧家の関係病院は先進的な医療技術を持った医師が多く在籍していながら、治療を受けるためには紹介状が必須になる。
ただの一般人である向坂絵梨には一生縁がないはずの場所だ。しかし、この学校には静先輩がいる。どういう経緯でそれを知ったにせよ、今まで有効な手が打てなかった病気が治療出来るかもしれないとなれば多少の無理をしてでも試そうとするだろう。
人が認識できなくなるという事がどういう事なのか僕にはよく分からないが、そこに誰かがいるかもしれないと思い続ける事は大きなストレスだ。
向坂絵梨が学校にあまり出てこないのはそういった理由もあったのだろう。
「うーん。ですけど、向坂先輩の話を聞いて一つ分からない事が出てきちゃいましたね」
「あら。どういう事ですの? シロ君」
ちょこんと首を傾げた静先輩に、さしあたって僕は今日判明した事実を全て伝えた。
犯人が予行演習を行っていたであろう事。
それを示す証拠の跡もはっきり残っている事。
そしてそれが出来たのはただ一人。春霞先生しかいないという事。
ただし、これはあくまで先輩の新情報を聞く前までの話し。今は最初に言った通り新しい謎が生じてしまっている。
「春霞先生が奥山宏美を殺したんだとしたら、何で向坂先輩はその罪を被って自殺したのかという疑問が残るんですよ。犯人が金井昌子であれば静先輩が調べてくれた事実が動機と考えらたんですけど……」
だがそれでも、事実として奥山宏美の件に関してはまず間違いなく春霞先生が犯人であるはずなのだ。
僕が春霞先生を犯人だと考えるもう一つの理由は、平野がタイミングよく屋上から落下するダミーを目撃しているという事実だ。
そもそもダミーを使って奥山宏美が落下死した時刻をごまかすためには、落ちる瞬間を誰かに目撃されていなければならない|のだ。
だがそんなに都合よく目撃者が出るかどうかは分からない。だから春霞先生は何度も予行演習を行って、仕掛けを作動させてからダミー人形が落下するまでの時間を念入りに調べたに違いない。
そしてその時間に合わせてたまたまそこにいた平野に話しかけ、自然な動作で立ち位置を調整し、平野の視線を上に向けさせた。
人間は視界の隅で動くものに敏感に反応するように出来ている。空を見上げた事で視界のどこかに西校舎の屋上を入れていた平野は、その中で動くものに反応したのだ。
「なるほどですわ。つまりシロ君は、ダミーを引っ張り落とす作業と教室内へ引っ張り込む作業は自動的に行われたと言いたいんですのね。でも、それはどうやってですの?」
静先輩の疑問はもっともだ。屋上からダミーを落とすだけならまだしも、教室内に引っ張り込むためには張り巡らせていたピアノ線を最低でも二十メートル近く巻き取らなければならないのだから。
けれど、これに関してはクロが見つけた戸枠の跡から辿る事で仕掛けの大本を特定する事が出来た。
「春霞先生の車には車載ウインチがついてるんですよ。あれを使えば自動でダミーを動かす事が出来ます」
最近は色んなものに無線のリモコンがついていて、その有効射程距離も十メートル程度はある。現場から駐車場までは直線距離では教室と廊下を挟むだけで十メートルもない。しかもコンクリートの建物とはいえ一直線上に窓ガラスがある事を考えれば、実質遮られていないのと同じ事だ。
仕掛けを動かしてからグラウンドに行き、誰よりも先に現場へ駆けつけてダミー人形が教室内に消えたところで仕掛けを止める。
駆けつけてくる警察も現場と屋上は確認するだろうが、一階の空き教室を調べようとするはずがない。頃合を見て仕掛けをばらして回収してしまえば、もう何も残らないという寸法だ。
「そうですわね。確かに状況証拠を見ても春霞先生が最初の犯行を行った可能性は高いと思いますわ。けれど、そうするとさっきシロ君が言った事が気になりますわね」
静先輩が口元に手を当てながら熟考し始める。こうなると思考の海から戻ってくるまで僕が出来る事は何もないので、今の話を聞いていたであろうもう一人。クロの方へ視線を向けた。
彼女は相変わらずソファーの上でゴロゴロしているが、その顔はいつものようなふにゃけたものではなく、精巧な人形のように無感情な表情をしている。クロはクロで思考の海に潜っている様だ。
ならばと僕も自分なりにもう一度考察を開始する。
前提条件として奥山宏美を殺したのは春霞先生であるとする。そして天夜先生を殺したのは向坂絵梨だ。
被害者と加害者の共通点は殺された天夜先生という存在。奥山宏美と向坂絵梨は天夜先生と肉体関係にあり、春霞先生は天夜先生の婚約者。
これだけの情報からごくごく単純に考えれば、春霞先生が奥山宏美を殺したのは婚約者を寝取ろうとした奥山宏美への恨みからと言えそうだが、実際には春霞先生から天夜先生への恋愛感情はない。
となれば、春霞先生が奥山宏美を殺した事に天夜先生は直接的な関係が無い見ていいだろう。しかし、天夜先生を抜きにした場合の春霞先生と奥山宏美の接点はなんなのだろうか。
荒神高校の教師と生徒という関係以外に、一体二人の間に何の接点が――
「…………ん?」
いや、何か忘れていないだろうか。とても目立つ事のはずだったのだけど、あまりに強烈過ぎて他の事がすっぽり抜け落ちてしまっている記憶。
今回の関係者の中には一人だけ直接的に春霞先生と奥山宏美の二人と接点のある人物がいる。
金井昌子だ。
向坂絵梨が事件を起こしたあの日の朝。金井昌子は春霞先生に会いに来ていた。いつもと違う雰囲気をまとって、隠していたと思われる本当の自分を晒した姿のままで。
あの時はそのあまりの変身ぶりにただ驚くばかりだったか、よくよく考えてみればあれはいわゆるおめかしというものではないだろうか。つまりそれは、金井昌子にとって春霞八重という存在が特別であるという事ではないのだろうか。
同性愛者であるという金井昌子にとっての特別とはすなわち――
「………………」
発想が飛躍しすぎだろうか。僕は思考にブレーキをかけるが、その考えを馬鹿馬鹿しいと捨て去れるほど明確な否定材料を持ち合わせていない。
ただそう仮定したとして、奥山宏美の事件の日に向坂絵梨とラブホテルに行っているのはどういう事になるのだろう。まさか金井昌子は天夜先生のように複数の女性と関係を持っているとでも言うのだろうか。
だがそれでは金井昌子が天夜先生と肉体関係を持ち、なおかつ子供まで宿している事実に説明がつかない。金井昌子という個体の中で、その事実だけが浮いてしまう。
「ああ、その事なのですけれど」
いつの間に自分の思考を終えていたのか、ぶつぶつと漏れ聞こえていたと思われる僕の言葉に静先輩が口を挟んできた。
先輩は人差し指を立てて、
「シロ君に一つ伝え忘れていた事がありますわ」
そんな事を言った。
「それってなんですか?」
このタイミングで示される新しい情報。それは本当に伝え忘れていただけなのか、それとも何かを意図して僕へ伝えていなかった事なのか。
一瞬の内に僕の頭の中を色んな可能性がよぎるが、今更何を考えたところで意味もない。だから僕は、先輩の言葉を聞き逃すまいと意識を集中する。
「天夜先生と繋がりのあった生徒四名の通話記録を調べてみましたの。そうしましたら興味深い事実が浮かび上がって来ましたわ」
「興味深い事実?」
「ええ。通話記録によれば四人の生徒の内、金井昌子だけは天夜先生から連絡を取っていましたの。反対に金井昌子から天夜先生へ連絡を入れた事はまったくありませんでしたわ」
他のお三方と比べてこの違いは何を意味するのでしょうね、と静先輩が怪しげに微笑んだ。おそらく先輩の中でそれに対する答えは出ているのだろう。だが、それは僕の知らない事実を踏まえた上での答えのはずだ。
そして先輩がこんな回りくどい伝え方をしてくるという事は、直接的に僕へ伝える事が出来ない、もしくは伝えるつもりがないという事になる。
それってつまりは裏の仕事絡みって事だよな。
新聞部のとしての活動の裏で、静先輩は情報屋のような仕事をしている。
基本的な内容としては高校生でも打ち上げの際にお酒を出してくれる店を紹介したり、探偵のように特定人物の情報を調べ上げたりなど、まあそこまでひた隠しにしなければならないような事をしているわけでもない。
だが、時折非常に重かったり怪しかったりする案件を抱えている時がある。
それは例えば普通では手に入れ難い薬品の入手だったり、とある噂をそれらしく流布する事だったり、特定の人物の帰宅ルートを調べる事だったりと、考えようによってはあまりよろしくない事柄だ。
静先輩は考え込む僕を楽しそうに眺めつつ、そっと自分の右手をへその下辺りに当てて円を描くように柔らかな手つきで一撫でした。
その動きを見て、僕はある事柄に思い至った。
金井昌子は天夜先生の子供を宿している。それはつまりそういう行為が行われたという証左であるが、だからといってそれが合意の元に行われたものであるという保証などない。
望まない妊娠。それが強引な手口による結果だとしたらどうだろうか。自らに対して下劣な欲望を植え付けた相手に対し、彼女はどんな感情を抱くだろうか。
「激しい憎悪。穢れの象徴はその身に宿ったもの。彼女はその命を奪う事に躊躇いを持たない」
不意に、ひどく澄んだ声が僕の耳に届いた。声を発したのはいまだソファーに寝そべったままのクロで、しかしその目はしっかりと開かれ、蛍光灯の明かりを反射してエメラルドのような輝きを放っている。
「穢れは払われなければならない。人間はその身に宿した穢れをどうやって落とす?」
すっとクロの瞳が動いて僕の方へ視線を向けてきた。彼女の言わんとしている事、それが僕には分かる。それは僕が苦労しながら教えた事だからだ。
直接的にそこまで教えたわけではないが、最初の門を潜ってしまえば彼女の理解は加速する。一を聞いて十を知るように、クロの知識は増え続けるのだ。
「先輩。もしかして向坂先輩の依頼って自分のためじゃなくて――」
「しーっ」
そっと、静先輩の人差し指が僕の口を塞いだ。そうされて、僕はすぐに口を噤んだ。
これ以上は言ってはいけない。言葉にすれば彼女の情報屋としての信用が失われる。それがたとえ、すでに死者となったものからの依頼であろうとも。
そして口を塞がれたという事は、僕の言おうとした事は事実だという事だ。向坂絵梨は金井昌子の穢れを落とすために静先輩へ依頼をした。
それが向坂絵梨の意思によるものなのか、それとも金井昌子が願ったのかは分からない。いずれにせよ、これで向坂絵梨が天夜先生を殺した理由は見当がついた。そして最初の事件の罪をも被ったのは、それを為したのが金井昌子だと思ったからではないだろうか。
向坂絵梨は奥山宏美の事件に関心を持っていなかった。それはあの時の言葉からも分かる。だから金井昌子から奥山宏美を殺したのは自分なのだと告白されればすんなり信じた事だろう。
おそらく向坂絵梨は元々金井昌子に突っかかってきた奥山宏美と、愛する人を汚した天夜彰吾を殺すつもりだったに違いない。そんな折に金井昌子からの告白を受ければ、天夜先生を殺害するついでにもう一つの罪をも被って死んだとしても不思議ではない。
「もしもシロ君の推測通りだとするのなら、金井昌子は自らの手を一切汚さずに二人の人間を殺したという事になりますのね」
「そうですね。そして向坂先輩は使い捨てられたというところでしょうか」
今となっては推測でしかないが、向坂絵梨は金井昌子に依存していたのだろう。もしかしたら天夜先生と関係を持っていたのも、愛する人と同じ苦しみを味わうためだったのかもしれない。
それほどまでに金井昌子を愛していた彼女はしかし、それを利用されて全ての罪を被って死んだ。
死のその瞬間。彼女は何を思い、そしてどんな顔をしていたのだろうか。あの時のひしゃげた容貌では感情の残滓を読み取る事など出来なかったが、彼女は誰かのために死ぬ事に満足していたのだろうか。
「さて。それでどういたしますの? 今ので事の全容はおおよそ把握出来ましたけれど、時間も経っている事ですし明確な証拠を見つけ出すのはほぼ不可能ですわ」
「そうですね。でも、別にいいんじゃないですか? 僕は別に犯人を捕まえたいわけじゃないんですし、先輩だって自分が妙に思った事を調べたかっただけなんですよね?」
僕の問いに、静先輩はコクリと頷いて来た。
そう。僕らは警察の代わりに真犯人を上げるために調べていたわけじゃない。僕らの目的はひどく利己的な自己満足で、それが誰かのためになるだとかそんなお題目を求めてはいない。そうしたいからそうしているに過ぎないのだ。
だからこれ以上が手詰まりになるのなら、僕のやる事は一つだけ。
「明日にでも問題の二人から直接話を聞いてみます。先輩はどうしますか?」
「うーん……。私は遠慮しておきますわ。ただ――」
静先輩がパソコンを置いている机の引き出しを開けると、なにやら細長い物を取り出して、それを僕に差し出してきた。
「これを持って行って欲しいんですの」
先輩の手から受け取ったそれは、どうやら音声レコーダーのようだった。つまり話の内容を記録して欲しいというわけだ。
そのあまりの普通ぶりに、僕は珍しく新聞部らしい機材が出てきたものだと感心する。
「これは本体をひねてから録音ボタンを押すと一発だけ痺れ針を飛ばす事が出来ますわ。即効性で成人男性が二時間は動けなくなる代物ですの」
前言撤回。全くもって新聞部らしい機材ではなかった。
どうやら本体が真ん中を境に回すようにひねれるらしく、ひねる事で露出した部位の穴から針が発射される仕掛けのようだ。おそらくどこかの怪しい店か何かで手に入れたのだろう。
「備え有れば憂い無しですわ」
「まあ、銃弾じゃないだけましですけど」
「あら、銃弾が出る物の方が良かったかしら? それなら――」
「これで大丈夫です!」
当然のように再び引き出しを漁り始めた静先輩を急いで止める。この様子ではそこらに転がっている普通そうなものも普通ではない可能性が高そうだ。
「に」
「ん?」
寝そべっていたソファから起き上がったクロが、大きく手を上げていた。彼女はついてくるという事なのだろう。僕としては最初から彼女は連れて行くつもりだったので何も問題はない。
僕はクロの頭を撫でてやると、先輩に渡されたレコーダーをポケットに突っ込んだ。
明日の放課後。それでこの事件は終わりを迎えるだろう。
それがどんな終わり方なのか。その事だけには、少しばかりの興味があった。