わたし、魔王になりました。
気持ちのいい朝。いつも通りのベッドでいつも通り朝を迎える。
ルミ「ぷにくんおはよぉ。」
いつものように枕元にあるクマのぬいぐるみ"ぷにくん"に挨拶しようと手を伸ばす。
が、ぷにくんが居ない。
ルミ「あれ、、ぷにくん?床に落ちちゃったかな。」
床に足を降ろし目を擦りながら目の前に置いてある鏡に映る自分を見る。
ルミ「あれ、、、こんな服持ってたっけ、、?わたしなんで角のカチューシャ付けて寝てるんだろ、、」
ギィィっと音を立てて部屋の扉が開く
メイド「魔王様、起きてたのですね。おはようございます。今日も可愛いですね」
最低限の音だけを立てて近づいてくる
メイド「今朝、勇者たちが魔王城に向けて動いているみたいです。現在東の森を抜けたらしいです」
さっき魔王になったルミはかなり不安がった表情をしている。
ルミ「わたし、殺されちゃうの??」
ふふっと柔らかく笑って、ベッドの縁に腰を下ろしルミの頭をよしよしと撫で始めた。
メイド「殺されちゃう、ですかぁ?ふふっ、可愛い。
大丈夫ですよぉ。魔王様、全魔術使えるじゃないですかぁ。勇者なんてちょちょいのちょいでしょ?あー、でもですねぇ。勇者、結構強いかもです。なんか聖剣持ってるとかなんとか。下っ端が三人やられちゃいました。」
のんびりした口調に深刻さゼロ。まるで天気の話をしている。
窓の外の小さな城は哀れを誘うほど頼りない。蟻の城のほうがまだ防衛力ありそう。魔王軍の人員不足が深刻である。
ルミは終始不安そうな顔でメイドを見つめている。
メイド「まぁ、私が出れば一瞬で終わりますけどぉ。それより魔王様、朝ごはんまだでしょ?パンケーキ焼きます?」
ルミ「いや、、その前に、なんでわたし急に魔王になってるの!?」
メイドはルミの頭を撫でていた手を止め、おかしなものを見るような表情でルミをみている。
メイド「なんでって、、魔王様が魔王だからですよ?もしかして寝ぼけてます?えいっっ」
メイドは両手でルミの頬をつまみ、むにむにと遊び始める。
メイド「あ、もしかして記憶喪失ってやつですか??まぁ大丈夫ですよ!難しいことは全部私たちがやりますから、魔王様は可愛い顔していてくれればいいです」
ルミはもうどうなっているのか分からない。
急に魔王になって、勇者が来たら殺されてしまう。




