股間を膨らませ続けた男の末路
世界股間膨らませ大会も、早いもので今年でもう第二回の大台を迎えた。
前回優勝者のシボム氏は、御年21歳で今大会の最高齢参加者だ。
参加者達の多くは記念に参加してみたハイハイ期の赤ちゃん達だったが、
シボム氏の意気込みは常軌を逸していた。
「この大会の優勝賞金1200円を祖国に持ち帰り、
出身学校の創設者の銅像を撤去した場所に井戸を建てたい!!」
そんな強い思いが、彼の背中から湧き立つ湯気の中に表れていた。
しかし彼の本当の思いは違った。
過去に彼が語ったインタビュー映像がある。
そこで彼はこの大会への思いとして、とんでもない事を口走っていた。
シボム氏
「あ、どうも。共和国共和国からやって参りました、シボムです。」
インタビューアー
「共和国を二回言ってませんか?
国名は何と言うんですか?」
シボム氏
「あぁ、わからんチンだね、このド豚が。
共和国という国名の共和国なんです。」
インタビューアー
「なるほど。つまり、アメリカ、みたいなノリで、
共和国、という国名なのですね?」
シボム氏
「ガッデム!!
そもそもアメリカだって正式名称じゃないダロが!!
正しくは、United States・・・あとはお前が考えロ、ゲボが!」
シボム氏は非常に興奮した様子だった。
シボム氏
「それじゃあ、インタビューに答えてやるよ。
まずは・・・え、待って、アレ、あれ何?
ほら、窓の外、UFOだ!うわぁ、インタビューどろこじゃないよ、
今すぐにアレに乗り込みに行かなきゃ!!」
そう言ってシボム氏は我々が部屋の入口に仕掛けた南京錠と4桁の暗号を
軽々とスルーして、壁をすり抜けて部屋を出て行ってしまった。
プロデューサー
「凄い執念だな、彼は。今大会の準優勝候補は、絶対に彼に違いない!」
そう言いながらプロデューサーは財布から割引券を取り出した。
プロデューサー
「クッ、コレも期限切れ、コレもダメだ!!
俺様の財布には期限切れのクーポンしか入ってないのか、チクショウ!」
しかしよく見るとそれらは来年の今頃まで使えるものだった。
記者はちょうど帰りに食べたい店のクーポンだったため、
それをズボンのポケットに入れて、この場を後にした。
所変わって、股間膨らませ大会会場跡地。
そこには強い風が吹き荒れていた。
ツワモノ
「遂に始まるのだな、あの大会が、この地で!!
多分、五年後くらいに・・・!!」
そう言ってまだ何も無い大地に立っていた彼を、
工事のブルドーザーが注意する。
ブルドーザー
「アンタ、そんなとこに立っていたら危ないよ!
そこはツバメの巣の真下だからねぇ!!」
しかし、彼の上には空しか無い。
ハッ、まさか!?
気付いた時には既に手遅れだった。
空から何者かが彼を目掛けて飛んで来ている”ツバメ”だ。
齢85を迎える通称”ツバメ”こと鍔尻芽次郎は、
自在に空を飛べる変質者だ。
「今年こそは、15年前に買ったプラモデルを完成させる!!」
そう意気込み、彼はツワモノ目掛けて吹き矢を吹いた。
「臭っ!!
コレ、洗ってないヤツじゃん・・・ママ、帰ったらぜってー殴る。」
そんな青臭い事を言っていた彼だったが、確実に感じていたのだ。
この国が変わろうとしている、”ウマレカワリ”の空気感を。
そして五年後にこの地に、
各地からデュエリスト(八百屋)達が集うのであった。
ー続、かない。ー




