中学校二日目
翌日。
すっかり疲れた俺は、不満たらたらで友人に会った。
「よお。...どうしたんだよ。」
「いや、それが...」
と、俺は昨日のことを話す。
「お前、一年前に一度それやって反省したって言ってなかったっけ?笑。」
といつものように笑ってくれた。
「それに、最近お前の中で新しい風が吹いているのかよ。笑。『神の頂』三周したって言ってたじゃないか。」
「それは、な。記憶にはあるんだけど、なんだか最近色々なものをやりたくなってね。そのPRGでクリア時間、世界で四位に入ったぜ。」
誇らしげに、元最強魔法使いであった影が微塵もないゲーム中毒ひかるは、笑った。
「え、お前。ガチかよ。昨日学校帰ってから何時間やってたんだ?」
「え、大体五時間ぶっ続け。」
「え、すご。それでクリアできたのか。世界で四位に入ったのは納得だ。えぇ。ひかるにそんな才能が...」
ひかるは、切るのを忘れていて、母に邪魔されなければ、世界で二位に入れたことは黙っておく。
(あの、エンディングで終わりを押すのを忘れたんだよなぁ。)
未練たらたらで、ひかるは心の中でため息をつく。
ちなみに、あちらの世界では、反射力がとても重要なため、敵が来たらすぐに反応できるように、元最強創造魔法使いにとっては、慣れていた。
また、アイテムの組み合わせや、魔法なども、彼は生涯何千人と戦っていたため、慣れていたのだ。
そして、そんな話をしているうちに、学校へ着いた。
二年間の記憶がある学校の階段を上り、2-Bと書いてある祐介の教室に入る。
そうすると、男子たちが異様な熱気に包まれていた。
「どうしたんだろ?もしかしてひかるが原因かな?笑。」
「かもな。」
そうして、輪の中にはいっていく。
そうすると、案の定、その話題で持ちきりだった。
「おい、あの今話題のPRGで、あたまおかしい四位が現れたってよ。ユーザー名は『Light』だってよ。」
「それな。それに、リプレイ見ると最後に『終わる』を押さずに、三十分も放置しているっていうあたまおかしい放置プレイ。笑。」
「その三十分がなかったら、不動の一位の『くろくろきんぐ』はともかく、ここ一年は動かなかった『走れ治癒魔法』が三位に落ちるかもだったんだぜ。」
「ほんと、もったいねぇ。誰だよ、あれやったの。」
俺だよ、とひかるは思った。
ただ、口にしたら絶対に騒ぎになるのでやめておく。
ひかるでなかったら、騒ぎになったらどうなるかに興味があったかもだが、ひかるという記憶が組み合わさっているのだ。そんなことはしない。
祐介がじろっとこちらを見て、どうしてくれてるんだよ、と視線で訴えかけてくるが、無視、だ。
キーンコーンカーンコーン。
「本当に、文句言うなら俺の母に言いやがれ。」
俺は、目を細める祐介にだけ聞こえるように言った。
けっ。
元最強創造魔法使いは、負け惜しみを残して、2-Aの教室に颯爽と去っていったのだった。




