中学校一日目
俺は、中学校へ複雑な心境でいった。
正直、恋をするとは思っていなかった。
ただ、俺は高光ひかるであり、元最強創造魔法使いでもあるのだ。
恋を知れたのも、いい経験だ。
そして、すっかり二年分の記憶がある、道筋を通っていく。
そして、二年分の付き合いがある、裕介と一緒に笑いながら、話をする。
なんの当たり障りもない、二年間続けてきた話を。
そして、二年間分の記憶がある。
土恋美玖への想いを。
元最強の魔法使いは、どうすれば実るかを考える。
*
「ああ。授業面白え。」
俺がそんなことを言っていると、ゆうすけは怪訝な目で俺を見た。
「おい、頭おかしいのか?授業つまんないだろ?」
まるで、俺を腫れ物でも見るように、穴が開くほど見てくる。
「ああ、違った。授業面白くねぇ。笑」
「笑。今日もジョークさえてるねぇ。」
このやりとりを、いつも通りのやり取りを、変わったのはひかるの心だけで、続けていく。
「それにしても、なんで前、土恋さんの名前をいったの?」
「あぁ、それはね…」
俺の記憶には、ゆうすけに打ち明けた覚えがない。
少し考えて、結論が出た。
「なんとなくそう言いたくなっったんだよ」
「そうかい。」
ゆうすけは、不思議そうに目を細めて、微笑した。その話題は、今日はもう出なかった。
そして、授業が面白いというのは本音だ。
数学は、とても面白い斬新な概念だ。
歴史は、日本がどうしてこういう国になったかを語っている。
日本語も、とても興味深く、国語はとても面白い。
それと、驚いたのは、体育があるということだ。
まぁ、記憶を入手した時にその他まとめて驚いたのだが。
あちらの世界では、運動というものは、自主的に行うべきものであり、人に言われてやるものではなかった。
もちろん、運動が嫌いにな人もいたが、他の全員が自主的にやっているので、その空気感に合わせてイヤイヤやっていたのだ。
キーン。コーン。
中休みの終わりを告げるチャイムがなる。
「じゃあな、ゆうすけ。」
「じゃあな、といってもどうせ昼一緒に食べるけどね。笑」
ちなみに、ゆうすけと俺のクラスは違う。一年目には一緒だったが、別れてしまった。
そして、土恋美玖とは、いや、土恋さんとは、二年間かれこれ一緒だ。
実際には、俺は、一日、だが。
いや、俺は二年間なのか。
俺は、高光ひかるであり、俺であり、俺であるのだ。
そして、教室に戻る。
…やはり騒がしい。
そして、次の時間割は国語らしい。
ということで、俺は教室に入り、国語の準備をする。
一番左の、窓際の席で。
そして、座って前を見る。
ただ、土恋さんの席は三つ右だ。
いやでも、笑い声が聞こえる。
それが、心の中では、嬉しく思う高光ひかるの気持ちと、前の世界では女に全く興味がなかった元最強魔法使いの気持ちが、不思議に交差したのだった。




