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魔力ゼロから始まる日本転生  作者: あした


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3/19

ひかる

俺は、走り去る魔物を、不思議そうに見つめていた。


一体、なんだったのだろうか。


そして、俺は地面に捨てられた黒い魔道具に視線を合わせる。


...どうしようか。


俺は、結局、その魔道具を妙に筋力がない右手で持って、探検を再開した。


 *


そして、何分か歩いた頃。


ようやく、この場所にはあの魔物が実用化されているということがわかった。


そして、柵の向こう側はその魔物が走る場所だということに。


そして、白と黒の場所は、唯一渡っていいということに。


…ここはどこなのだろうか。


こんな魔物が実用化されているなら、絶対に俺の耳に入るはずだ。


ここは、本当にどこなのだろうか?


知りたい。


俺はその一心で、さらに探索をする。


その時、


「あれ、ひかるじゃん。」


と言う声が聞こえた。


後ろに振り返ると、十四歳ほどの少年がいた。


ひかるとは誰のことだろうか。


俺は、後ろを振り返り、ひかり、と言う人物を探す。


その人物は、後ろで、


「ひかる、今日もジョークさえてるねぇ。笑。」


とあきらかに俺に向けて話しかけてきた。


俺はお前など知らない。


お前は誰だ?


ただ、その時気がついた。


この、右手に持っている魔道具が、映し出した俺の姿が、この14ぐらいの少年の知っている人なのか。


俺は、他に行くあてもなかったので、黙ってその人についていった。


 *


き、気まずい。


彼は常に、「急がないと遅刻するぞ。笑」とか、「あのゲーム傑作だったよね笑」と話しかけてくるが、人と話したことがほぼ、全くと言っていいほどない俺では、話が続かない。


というか、ゲームってなんなのだ。


俺が黙っていると、彼は、人の良さそうな笑みを浮かべて、


「着いたぞ。危ねえ。あと5分で遅刻だったぜ。笑」


と笑いかけた。


そして、俺は彼についていくことに徐々に罪悪感を抱き始めた。


この、ひかるという体は、どれほどこの人物と親しいのだろう。


おれが、このひかるという体の努力を、奪ってしまっていいのか。


ひかるは、実際にはどこかにいて、この目の前にいる笑みを浮かべている少年を、探しているのではないか。


そんなことを考えているうちに、


「おい。何してるんだ。早くしないと遅刻するぞ。」


とせかされた。


俺は、複雑な感情さながら、とても大きい、俺の場所では見たこともないような建物の階段を登っていった。


俺が魔法を使えるかはまだわからなかった。


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