彼
くそっ。
失敗した。
あそこを作るのが間違っていたか。
あそこの接続ができていなかったせいで魔力が流れずにショートしたのか…。
くそっ。
俺はまだ死にたくない。
この研究を完成させたい。
俺はぁぁああああああああああああああああああああああああああ。
*
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ、あ?」
…ここは、どこだ?
それに心無しか声も高い。
そして、てになにかをもっている。
中に空洞があり、持てるようになっているが…
この黒い物体はなんなのだろうか。
そして、すごく体に違和感がある。
なんだ?
成功したのか?
いや、そんなはずはない。
あの時、明確に失敗していた。
というか、この建物はなんだ?
10回だての建物なんて聞いたこともない。
…とにかく歩いてみるか。
百聞は一見にしかず、だ。
ここを探索してみることにした。
そうして歩いていくと、地面に白と黒のしましまがあった。
一体ここはどこなのだろう…。
人っこ1人いやしない。
ブープーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
後ろから、ものすごいうるさい音が聞こえた。
「う、おおおおおおおおおおおおおお?」
振り返ると、魔物がいた。
即座に臨戦体制に入る。
「|鉄の剣ー創造《アイアン・ソード-クリエイト》!!」
そして、作り出された剣を持って….???
な、なんだ?なぜ作り出せない。
くそっ。
「|鉄の剣ー創造《アイアン・ソード-クリエイト》!!」
は?
なぜできない。
俺ができなかったのは初めの一回だけだ。
それ以降一度も、初歩の初歩の鉄の剣を創造することに失敗したことがない。
なぜだ。
そんな時だった。
魔物を蹴破って、中年の男が出てきた。
蹴破ってきた。
なんだこの魔物は?
苦しそうにしていない。
ただ、目が銀色にひかっているだけだ。
…そして、その人が着ているのは奇妙な服だった。
「おい、坊主。アイアンなんとかは、知らねえが、早くどきやがれぇええええ。邪魔なんだよぉぉぉ。」
坊主?
俺を、坊主と言ったか?
頭おかしいんじゃないのか?
俺はもう三十を超えている。
なぜ、俺を坊主というのだ?
その時、気がついた。
ああ、この黒い物体が魔道具だったのか。
妙に声が高く、視線が低いと思ったらこの魔道具のせいか。
納得、納得。
俺はすぐさまその黒い物体を、手から落とすようにして投げ捨てる。
「これでわかったか?俺は坊主じゃねえよ。」
「は?」
沈黙。
ただ沈黙が訪れた。
そして、その男は、本当に意味がわからなそうに、
「はぁ?お前は何を言ってやがる?」
と、俺を狂人を見るような目で穴が開くほど見つめた。
「俺が、三十ほどの男に見えないのか?頭おかしいのか?」
「頭おかしいのはおまえだあああああああああ。さてはお前、厨二病だな?けっ。付き合ってらんねえぜ。」
そう吐き捨てて、その中年の男は、魔物の中へ蹴破り、ヴーーーーーーーーーーーーーーンと音を立てて走り去っていった。




