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第4話 その日常はさもありなん

 今日は休日。


 程よく日光が出て、ポカポカ。


 夏だというのに、あったかくて過ごしやすい朝。


 ということで、とおそらく……あたしは寝ぼけていたかもしんない。


 備えつけのガスコンロで、お湯を沸かそうとしただけで部屋を爆発させちゃったんだから?



「あららららぁ??」



 お決まりのお約束ごとに近い奇天烈騒ぎ。流石のあたしも爆発音で目が覚めたっての?


 とは言っても、これが初回じゃないので。無事であるスマホを使って呼ぶのは。



「もしもし、大家さん? 久しぶりに爆発させちゃいましたぁ」

『まあ、なっちゃん? 嫁入り前の身体は無事? いっちょ前に壊れたのはガス系で済んだ?』

「多分? 毎度、ごめんない」

『いいわよぉ。そんな事が起きていい物件だもの? 修理会社は呼んどくわね?』

「ども」



 しなった口調の大家さんは、あたしみたいに超絶不器用連中を『匿う』意味で……外見を安アパートにした強固素材物件に住まわせている。こう言うのは仕方がないんだよね……混じりっ子の末裔は個体差があってしょうがない。


 人間以外の、妖怪や神様が日常生活に当たり前にいるなら……恋だって、種族関係なしに起きたって当然。あたしも漏れなくだけど……混じり過ぎて、家系図めちゃくちゃらしい。


 とりあえずわかっているのは、炊事関係だけ超絶不器用。加減がわかるまでは家財道具の破壊もすごかったらしい。不器用は、母さん曰く、その名残りぽい。


 けどこれ、世間を知れば知るほど。意外と『普通』らしく。個人差あるけど、大人になってもちっとも直らない人もいるんだってさ。なので、物件探しは専門の業者頼りなわけ。



「あーらら? 昨日まで納品大変だったの〜?」

「うっかりうっかり。電気ポットでいつもやるのに、ふつーにしてましたよ」



 業者は割とすぐ来てもらえたけど。破壊範囲が結構凄いので、今は綺洞さんとこに避難。二回の作業場には、仮眠室もあるのでトランクに無理やり詰め込んだ服一式は主に下着類。


 他のは、ここの試作で余っているの着てるから大丈夫。ご飯はいつも通り食べに行くから問題無し。女としては不憫極まっているが、実際こんな事態になるから……迂闊に料理出来ん! 最小限でこの程度!



「まあ、適材適所。ボクん店の前で、バーってデザイン案広げちゃった那湖ちゃんがいなきゃ。ボク、染め師としての今ないもんー」

「……あたしも、ご飯食べて行けなかったですよ」

「うんうん。ご飯大事」

「巻きついた状態じゃなきゃ、そんな台詞もかっこいいのに」

「あれれ?? いつのまに??」

「あたしがここ来たときから」

「うぅん? 夏のポカポカに、ボクも当てられたぁ?」

「でしょね。じっとしててください」

「ありがとー」



 一反木綿であれ、純粋妖怪とやらも今の時代いないらしい。その中で、別の姿でこんなお茶目さんに出会えたんだから。不器用極まりない今でも、あたしは今があって良かったかもしんない。


 しかしながら、今日は宣伝用ののぼりにある細い棒に絡まっていたので、いつも以上に大変!! なんで、お茶目さんはこうなんの!?


 そのあとは、陸音さんの喫茶店であんまいアイスのハニーカフェラテを堪能したのは言うまでもないでしょって!


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