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第12話 ズッ友の位置は変わらない

 奏歌ちゃんこと、ソウちゃんは普段は地声を売りに仕事の曲を提供しているらしいけど。


 実際は、結構ボーイッシュな歌い方がしたいんだって。和楽器の掛け声とかをイメージしたり、伝統音楽を使って『言葉の壁』を越えた曲をつくったりとか。


 でも、あたしと最初に会ったときのように、仕事関係者側からは『売れにくいから、甘めちょうだい』とか言われるらしい。Vtuberとか、顔出しNGの歌い手さんだっているのに……美しさは罪の時代じゃないわ! せっかくの才能を認めてもらえないだなんて!!


 とか、あたしもガーガー言いたいとこだが。仕事の世知辛さは、よーくわかっているから強く言えんのです!!



「おいひいデスゥ! 本場よりも甘めで、ヤサシイ辛さ!」



 ほおばる顔まで美少女なのは、やはり憎いな! いい意味で。



「ソウちゃん、もしかして海外出身?」

「チョットだけデス。でも、大っきくなってからも……仕事以外、カワラズ」

「どこどこ?」

「スウェーデン、でっす。ホットドッグはアメリカくらい……主食デスヨ」

「お、スープの国だねぇ?」

「スープの国?」



 綺洞さんはもう食べ終えてたのか、食後のドリンクだったけど。さっき、なんか不機嫌そうだったからなおってよかったぁ。



「デスデス。コーヒーとスープの国デス! 北欧なので、サーモン以外の魚介類消費多イ!! だから、スープが主食の時もありマス!!」

「ほえ〜」



 料理壊滅レベルだから、そんな豊富に語れるのなら作れるのかな? そうとは限らないだろうけど。



「甘めかぁ。ま、タバスコとかの唐辛子系は日本人向きにしないと……日常用には食えんしな?」

「そなの?」



 ちょうど、あたしたちが食べ終わった頃に、甘めのカフェラテが来た。陸音さんはあたしとかでちょいちょいと、接客練習してるのは彼女さんの流子ちゃんには筒抜けなのだぁ。



「日常的に食べ慣れていない、食わず嫌い。食ってから嫌いになるやつ。色々いるが、山盛りワサビを毎日食えとか強制されたら嫌だろ?」

「それはヤダ!」

「ワタシ、平気!」

「ソウちゃん、勇者!?」

「ボクも遠慮したいなぁ……」



 となると、中国とか韓国とか。辛いの食べ慣れている人は凄いなあ? 何百年生きてても、ダメな人はダメらしいのは今日知った。綺洞さんとかが否定派だったもんー。



「アエテ! ノドをシビシビのしたら!! アルトがのびる気がします!! ワサビのポテチを大量買いスルんです!!」

「清涼感ある歌声だけど……ワサビ効果なのぉ?」

「! そう聞こえマスか!?」

「ボクはカレー食べたくなったけどぉ」

「Noooooo!?」

「あははは!? 綺洞さんおっもしろー!! やっぱり、綺洞さんと話してるの落ち着くー!」

「そーう?」



 女友だちが増えるのも、もちろんいいけど。のんびりゆったり、時々布姿の綺洞さんとの空気が一番楽。


 なので、いつも通りに。皿に残ってた、ツナマヨのかけらはいただきなのだー! 笑ってくれてたしね?

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