第10話 必然的な出会いも、また日常??
リャサ イガーエテロ
リュサ リーサーカサロ
サラサ ルリリ リリ
イーザレセロ サソン
ウィーザ レ サラァ
どこの言葉だろう?
聞いたことがない言葉だけど、耳障りじゃない曲調の音楽。
中性的なアルトぽいから、男性か女性かわかんない。でも、上から聞こえるのってなんでだ? ここアパートだから、二階までなのに?? ちなみに、あたしの部屋は二階の角部屋。ネットとかのスペックの関係で、角部屋指定しただけなんだけど??
屋根にもしいたら、身体能力高めの個性の持ち主? それは裏山けしからん! あたしは、ほんのちょい跳んだり出来るだけ。
なので、ちょこんと屋根の端から顔出せば。
「え?」
「ほ?」
上に居たのは、セミロングが可愛いお嬢さん?
歌と違って、普段はぽえぽえ声とは、なおけしからん。それはともかくとして、ワイヤレスだけど大きめのヘッドホン装着したお嬢さん……あたしでも、びっくりするくらいの美少女だ!! かわいくて、ぎゅっとするタイプのふわふわ美少女!!
是非とも、お近づきになりたい!! 男じゃないけど、友だちになりたいってタイプは久々!!
「も、もしか……シテ」
「ん?」
ベスト美少女に自己紹介しかけたが、なんか向こうの方から質問があった。最後まで言えないけど、もごもごしているから……なんとなくわかってきたかも!!
①歌ってたら、あたしの登場。
②もしかしての続きは①につながる。
③練習してたかもの歌を聞かれてしまった。
の項目が浮かぶぜ! コミュニケーション低い方だけど、下手なりに最近頑張って営業してるからね!! 企画案書類ぽくはなったけど?
けど、一応頷いてみれば。ベスト美少女は音が出るくらいに赤面になったかと思えば、あたしに寄ってきて抱っこしてきた??
「は、はぴょ、まえ!! な、ナイショ!!」
「……お嬢さん。音楽とかお仕事?」
「…………イチオ」
「すっご!」
声の音域を、多分自在に操れるって凄い!! なにの混じりか聞きたいけど、それはプライバシーだからいきなり聞くのは失礼だもんね?
とりあえず、すごいすごいって頷きながらジタバタしてたら、ベスト美少女にはポカンってされちゃった。
「……ヘン、じゃない?」
「へ? 綺麗だったけど?」
「キレイ? 男の子の声、デ?」
「そかな? あたしは全然」
素直に聞き惚れてたことを伝えると、ベスト美少女はあたしの脇に入れてた手を背に回してギューっと抱きついてきた!?
「ウレシ! 声の差、大きいカラ!! こっちの声ヤメてたの!」
「ん? 普段、違うの?」
ふわふわの美少女に抱っこは、ウェルカム! たーだ、男性との関わり多いから久しぶりだなと、ここはのんきにしててはいかん?! なんか困ってる様子だったし!!?
あたしが聞けば、美少女はうんうんって感じに頷いてた。
「顔。カワイイけど、声男……売れないッて」
「よし。殴ったろか、そいつ」
「! 怒ってクレル?」
「そりゃそーさ? 綺麗に歌えている時点ですっごいもん。あたしは絵柄とかイラストしか出来ないし」
「あ、ナマエ」
「那湖でいいよー」
「……奏歌」
名前まで美少女だとは、ますますすんばらしい!! どこに住んでいるか聞けば、同じ二階の逆端らしい。防音設備の部屋ってことで引っ越ししてきたばっかり。
「これは運命的な出逢い!! 奏歌ちゃん! あたしオススメのモーニングに行こう!!」
「? モーニング?? ドコ??」
「大通り出て、ちょっと歩いたとこ!! めっちゃ美味しい!」
「! ごはん、食べてナイから。ウレシ!!」
「……マジで?」
「…………ハイ」
ならばなおさら!! 陸音さんとこのごはんで活力つけてもらおう!!




