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桜(はな)を待つ

作者: 武田道子

(はな)を待つ




初春の章




透明な季節が

空気を凍らせる

白く吐く息の向こう

霞に身を包み待っている



枯れた枝えだに

小さな赤い宝石のような蕾がふっくらと膨らみ

日に日に一つ一つ 

(はな)が灯されていくとき



灰色の空を

コートのように身につけて

白く吐く息の向こうに煙る

暖かな季節を思う




初秋の章



生きる緊張感をなくした庭

秋桜(はな)は透き通ったひやりとする空気に

ゆらーり、ゆらーり

空を見上げる



日に日に

黄昏の影が濃くなると

冴え冴えとした空に秋桜(はな)びらは飛び立って

深い紺青の空に張り付いて星になる




春の(はな)、秋の秋桜(はな)

どちらも美しい

そして、どちらも少しだけ哀しい

美しさが消えていく時

人は知る

(はな)を待つ




初春の章




透明な季節が

空気を凍らせる

白く吐く息の向こう

霞に身を包み待っている



枯れた枝えだに

あずき色の蕾がふっくらと膨らみ

日に日に一つ一つ 

(はな)が灯されていくとき



灰色の空を

コートのように身につけて

白く吐く息の向こうに煙る

暖かな季節を思う




初秋の章



生きる緊張感をなくした庭

秋桜(はな)は透き通ったひやりとする空気に

ゆらーり、ゆらーり

空を見上げる



日に日に

黄昏の影が濃くなると

冴え冴えとした空に秋桜(はな)びらは飛び立って

深い紺青の空に張り付いて星になる




春の(はな)、秋の秋桜(はな)

どちらも美しい

そして、どちらも少しだけ哀しい

美しさが消えていく時

人は知る

生きているという意味を 



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