第8幕
第8幕
新薬ディナゲスト。
継続した服用で、生理を止めることが出来るのが特徴だと、主治医から説明されていた。
私の激しい生理は、確かに止まった。
しかし、去年の秋から、いきなり生理が復活。
しかも、やはり月の半分が生理。
ものすごい経血量で、ショーツ型のナプキン(オムツタイプ)でないと、下半身血だらけになるという有様。
ここで、エセ貴族 鰯田家のことを少し書いておく。
我が一族は親族婚が多く、私と夫も血が繋がっている。
「オギャー!」と病院で生まれた赤ちゃんの私を、夫は見た。
私が生まれるというので、駆けつけていた親戚陣の中に、夫もいたのだ。
当時、夫は5歳。
「なんて可愛い赤ちゃん!」と思ったらしい。
夫は、そこから一途に私を想い続けた。
誰かに無理に言われたのではなく、自然とお互いに好きになった。
そして、私たちは結婚した。
なかなか無い出会いではないだろうか。
運命のラブストーリーと呼んでほしい。
そんなわけで夫とは、ほぼ一緒に育っており、とても気持ちが通じ合っている。
信頼しているし、尊敬している。
夫は、私が何度倒れても、何回療養休暇に入っても、私を責めなかった。
「何もしなくていいんだよ。あなたは悪くないんだよ。」
と、私を支え続けた。
「子供が出来なくてもいい。あなたが生きていてくれることが大事だ。」
と、私を肯定してくれた。
こんな私を愛し続けてくれた。
夫も私も子供が好きだ。
ー私は、この人に、我が子を抱かせてあげられない。
ーなんて自分は罪な生き方をしているのだろう。
と、何百回思ったかわからない。
そしてまた、夫にナプキンを買ってきてもらったことも、何百回にのぼるかわからない…。
とにかく、夫は、私が安全に日常生活を送れることを最優先だと考えてくれた。
その夫の愛があるからこそ、次回、鰯田鰹節、決断をする…(*´▽`*)




