第4幕
第4幕
ピルを頑張って飲み続けるうちに、私の子宮内膜症は、お豆くらいになってくれた。
わぁ〜よかった、よかった…!
…で終わってたら、こんなエッセイ書いてない。
病巣部が小さくなったのに、痛みが無くならなかったのだ。
生理の時の経血量が減り、楽になっても、痛みだけは変わらなかった。
私の場合、左下腹部痛が24時間ある。
キリで突き刺すような痛みだ。
鎮痛剤を飲んでも完全に消えない。
時として酷くなり、痛みでうずくまり動けない日もあった。
道端だろうが、駅のホームだろうが、容赦なく耐え難い痛みが襲ってきた。
その度に「うう…!」とうめいてしゃがみこむ毎日…。
そして、ピルの副作用の吐き気。
これには本当に参った。
「服用続けてると、体が慣れて、吐き気はおさまりますからね〜。」
と主治医は言ってくれたが、なんと、何ヶ月経っても吐き気が消えなかったのだ。
ピルによって、私は排卵を止めていた。
すると体は『妊娠の状態』と同様のホルモンバランスになるらしい。
そのため、つわりと同じ吐き気が起こってしまうのだという。
よって、私はつわり用の吐き気止めも処方してもらい、飲んでいた。
それでもほんの気休め程度にしか効かない。
ていうか、全然効かなかった…。
妊娠した女性の中には、臨月になってもつわりが続く方もいると聞く。
おそらく、私もそのような体質だったのだろう。
「妊娠してないのにつわりって…。」
と、私は複雑な気持ちだった。
当時、私は妊娠希望だった。
ー赤ちゃんが欲しい。
ーママになりたい。
ー幸せな家庭を築きたい。
そんな期待いっぱいで、夫と結婚した。
なのに、現実は、ピルで排卵を止めているから、どう頑張っても赤ちゃんは出来ない。
ピルをやめれば、たちまち内膜症が大きくなり、大量出血のち貧血。
仕事できない。日常生活安全に送れない。
このシーソーゲームのような状況で、私のドヨンドは加速した…。
『The 生産性のない自分』
生きていて、いいのか。
生きていて、意味があるのか…。
1秒も幸せを感じられなくなった。
そんなタイミングで、最悪なクリニックに転院する…。