1/17
0
相手は悪魔だとわかっていても、それでも力を借りずにはいられなかった。他に頼れるものは何もなく、藁にもすがる思いだった。
悪魔への貢物を用意した。必ず気に入るはず。
悪魔はそれを見て、満足げに笑った。
「解決へと導いてくれる者を一人、あてがってやろう」
悪魔は自身の持つ魔法道具を取り出した。
目的の達成に一番近い者を呼び寄せる腕輪。
身に着ければ設定した期日まで手下として働く。
言うことを聞かなければ雷の魔法を食らわせるといい。
だが期日が来たとたん腕輪は消え、それまでのことは何も覚えていない。
どんな無茶や不正を頼んでも後腐れはない。
悪魔は近日中にこの腕輪に合った人材を手配しようと答えた。
そして、待ち合わせ場所を伝える手紙が届いた。