きかいからにんげん
これから、どうすればいい。
弱い自分に問いかける。
今から、何を頼りに生きていけばいい。
部屋の全てのモノたちに投げかける。
そうなったのも、僕以上に弱い機械のせい。
大活躍していた機械たちが、次々に壊れていった。
次々に壊れてしまったが、お金がない。
保証のようなものは、一応してくれるらしい。
だが、代わりに貸してくれる家電は出払っているのだという。
何かしらのものを、タダで貸してくれるというが、不安でいっぱいだ。
連絡して、数時間後。
部屋に何かが、次々と運ばれてきた。
見た目は大きめの家電。
でも、中に入っていたのは人間だった。
しかも、なかなかのマッチョ。
なかで、原始的なことをして助けてくれる、ということなのだろう。
様々なものを試してはみたけれど、やはり本物とはだいぶかけ離れていた。
テレビは、なんか紙芝居形式みたいなヤツだし。
洗濯機は、なんか敵と戦うみたいに、叩きつけたり擦ったりしてるし。
ストーブは、ただ全身に力を入れ、力んで赤くなっているだけだし。
とても役に立っているとは、言い切れなかった。
マッチョな人間が家電を賄う。
原始的で役に立つとは言えないが、十分に楽しめたからいい。