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歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ


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 私はヴィアンにリガルの場所を教えてもらい、彼のいる場所へと向かった。

 リガルがまさかあの森から出て、王宮にいるなんてね……。あの強さを持っていたら、確かにラヴァール国の戦力になるし、納得と言えば納得だけど。

「久しぶりにこの場所に来たわ」

 私はそう言って、王宮にある訓練場へと訪れた。

 かつて私がリアとして滞在していた場所!! 

 懐かしさを感じていると、どこからかライが私の元へと走って来た。すぐに私が来たと分かるのね。賢い子だわ。

 私の太腿にスリスリと顔をつけるライを撫でる。

 クシャナの件でこの子は随分と活躍してくれたんだもの。よくやったわ。

「おい! ライ! 勝手にどっかに行くな!」

 レオンの声が聞こえる。「ライ~!」と幼い男の子の声も聞こえてきた。

 私は彼らの方へと視線を向けた。二人も私に気付き、レオンが咄嗟に頭を下げる。リオもレオンにつられて、少し遅れて頭を下げる。

 レオンとリオは私の方へと駆け足で近づいてくる。 

「主だ。お前の病気を治してくれた方だぞ」

「ありがとうございます」

 リオはそう言って、丁寧に頭を下げた。

「元気になって良かったわ」

「あるじ様はかわいい方ですね」

 唐突なリオの言葉に私は固まってしまった。 

 まさかこんな男の子にそんなことを言われるなんて……。最初に出会ったジルぐらいの歳よね……!?

 女の子に対して「かわいい」って言えるなんて、かなりレベルが高いわよ!?

「おい、こら主様に向かって」

「だって、かわい」

 レオンは「すみません」と私に向かって謝り、リオの口を塞ぐ。

「色んな女の子に言っちゃだめよ」

 私はそう言って、リオに向かって微笑んだ。リオはレオンに口をふさがれたまま、コクコクと首を縦に振る。

 カーティス様のようになりそうな未来が少し見えてしまったわ。

「リガルを呼びに来たのだけど、ここにいるかしら?」

「はい。今、訓練を受けているところかと……。あの男めちゃくちゃ強いですね。主についてきたって言ってましたけど……、やっぱり強い人のところに逸材が集まってくるものですね」

「レオン含めてね」

 私がそう言うと、レオンは少し恥ずかしそうに笑った。

「リオ、リガルを呼んできてくれないか?」

「あら、私が行くのに」

「マリウス隊長に捕まったら面倒でしょ。きっと、主を見たら大興奮ですよ」

「それもそうね。……リオ、お願いできるかしら?」

「まかせてください」

 リオの可愛らしい声に胸がキュンとしてしまう。

 なんて可愛らしい子なの!! 

 私はリオがお辞儀をして、走っていく小さな背中を見送った。

「主はこれからどうするんですか?」

「それを今からみんなに話すのよ。そのためにリガルを呼んだの」

 リオがリガルを連れて来たタイミングで私たちはかつてライが過ごしていた小屋へと向かった。

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