表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

468/710

468

「それは良い案かもしれませんわ」

 キャロルはジルの話に乗り気なようだ。メルは鋭い視線でキャロルを睨む。

「キャロル、覚えておきなさいよ」

「ええ、勿論メルの恋愛はちゃんと覚えておくわ」

「……ほっんと良い性格してるわよね」

「メルもね」

 キャロルは睨みつけてくるメルに満面の笑みを返している。

 この二人ってやっぱり似ている。犬猿の仲のように見えて、意外と波長が合っているのかもしれない。

 ジルはデューク様の方を向き「デュークは?」と聞いた。

「面白そうだし、いいんじゃないか?」

「主、従者の恋を面白がらないでください」

「俺の恋愛に散々口出ししてきたことを忘れたのか?」

「……それとこれとでは話が違います」

 恋のキューピットになるか否かは、どこまで深い恋愛をしているかにもよる。

 関わり過ぎると、何もかもダメな方向へと進みかねない。それだけは避けたい。私は人の恋の話を娯楽として聞きたいけれど、それを破壊しようなんて思わない。

「ちょっと~~! アリアリからもなんか言ってよ!」

「……とりあえず、メルの恋愛話を聞かしてもらえる?」

「も~~! なんでそうなるの!」

 メルは嘆くように私を見つめた。

 彼女も私たちと一緒によくいるから知っているはずだ、私たちがこれと決めたら絶対に覆さないことを。

 半分諦めたような表情をしてストンとまた腰を下ろした。

「私の恋愛話なんてちっとも面白くないよ」

 私たちは目を輝かせながらメルの話に食いついた。メルだけが不服そうに頬を膨らましている。 

 メルは長い溜息を吐いた後に、口を開いた。

「カーティスが好きなの」

 …………カーティス?

 思いがけない登場人物に全員が固まった。

 まさかここでカーティス様が出てくるなんて……。というか、メルがカーティス様に恋に落ちるなんて驚きでしかない。

 てっきり、メルはデューク様に秘密の恋心を抱いているって馬鹿げた想像をしていた。

「ただ、私はカーティスのお気に入りを知ってるから何かしようなんて思ってない。以上! 私の恋愛話はこれで終わり」

 メルはそう言って、無理やり話を切り上げた。

「え、カーティス様にお気に入りなんているの?」

 カーティス様は女の子は誰でも好きなタイプの男性だ。「特別」は作らないはず。

 私の素朴な疑問に、皆目を丸くして私の方を向いた。私がきょとんとしていると、全員が同時に大きなため息をつく。

「これだからアリシアって」

「恐ろしい女の子だよね」

 ジルは片手で頭を軽く抱えている。メルも呆れた様子で私を見つめていた。

「…………もしかして、カーティス様のお気に入りは私とでも言いたいの?」

 私が顔を顰めながらそう言うと、四人とも一斉に首を大きく縦に動かした。

 ……衝撃の連続が多すぎて話についていけなさそう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] まじでおもろい! 続き気になる! [気になる点] デューク様とアリシアどうなるの!? [一言] 次が楽しみです! 因みに4周目です!
[良い点] めっちゃ面白そうな展開になってきましたね! メルメルの恋は果たして叶うのか…!? 個人的にはフィン様の恋バナの続きも気になります!!
2023/02/21 18:20 名無しさん
[一言] 正しくはキューピット ではなく キューピッドである。笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ