表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ
466/686

466

「アリシア様が決めたことなら、何であれ応援致しますわ」 

「そうだよね。私達はアリアリ応援隊だもん」

 なんて物分かりの良い二人なのかしら。

 物分かりが良いというより、私は彼女達にとても愛されている。いつも私のことを支えてくれている。

「ありがとう」

 私は心の底からそう言った。

「僕もアリシアのことを一番に応援してるからね」

「俺が一番応援してる」

 ジルに続いてデューク様も私の方へと視線を向ける。

「その対抗心いりますか?」

 私はデューク様の言葉に少し恥ずかしくなりながらも、ちょっと強気な口調で返答した。

 どうして私が悪女になることをこんなにも応援してくれているのかはちょっと不思議だ、嬉しい。胸が熱くなる。 

 というか、一国の王子様が令嬢を悪女にすることを後押ししても良いのかしら。

 冷静に考えたら、変な状況よね……?

「もしかして、デューク様も悪い男になろうとしてます?」

 私は思わず訝し気にデューク様を見つめてしまった。

 悪女になりたい私を利用して、デューク様は私よりもっと凄い悪の王子になろうとしているのかもしれない。

 私の言葉に皆固まった。一呼吸置いて、デューク様の笑い声が部屋に響いた。

 ……私、何かおかしなこと言ったかしら?

 デューク様の豪快な笑い声に私以外の皆も驚いている。

 私の単純な疑問でこんなにも笑ってくれるなんてむしろ光栄だわ。

「そうかもな」

 デューク様は笑いながらそう言った。 

 ……そうかもな? 

「え、デューク様って私のこと好きなんですよね? もしかして、それも騙されてます?」

「この上なく惚れていることには違いない」

「……な、るほど?」

「ちょっと主~、あんまりアリアリをからかわないでください。アリアリはこれからのことで頭がいっぱいなんですから」

 メルが少し呆れた様子でデューク様の方を見る。

 確かに今はデュルキス国滞在中に私の悪女ポイントを稼ぐことに集中しなければならない。

「アリシアって恋愛に関してはどうしてこうも不器用なんだろう」

「不器用っていうか、恋愛偏差値ゼロ?」

 ジルの言葉にキャロルが付け足す。

 ちょっと待って。私、キャロルにまでディスられてる? 

「適材適所だから仕方がないんだよ!」

 メル、それ全然慰めになっていないわよ。 

 ここには誰も私の味方はいないのかしら。……デューク様相手に恋愛するなんて結構至難の業よ。

「そういう皆だって恋愛経験あるの!?」

 そう声を上げると、一瞬で静まり返った。全員目を丸くしながら私の方を見ている。

 恋愛に関して、いつも私にばっかり焦点を当てられているけれど、そういう皆は一体どんな恋愛をしているのよ。

 フィン様の恋愛も気になるけれど、メルとかキャロルがどんな恋愛をしているのかも気になる。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 皆の恋愛!気になります〜どんな恋愛をしているのかとてもワクワクドキドキしています。
[良い点] 投稿お疲れ様です!アリシアの恋愛理解度が相変わらず0でおもしろかったです。メルメルやキャロルの恋愛話楽しみにしてます!(ヘンリ…また邪魔するなよ…)
2023/02/20 10:20 ななしさん
[良い点] たしかに、ほかのみんなの恋愛事情も気になります。 フィン様の話もこの前は聞けず仕舞いだったし。 デューク様とアリシアの恋もちっとも進展しませんね。 すでに心は固い絆で結ばれているから、進展…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ