表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

451/710

451

 ……この声ってフィン様!?

 私は声が聞こえた方向を反射的に振り向いた。

 天使のような顔をしたフィン様と色気が半端ないカーティス様が私たちの方に近付いてくる。 

 どうしてこの二人なの。こんな朝早い時間にこの場所に来るなら、ヘンリお兄様とアランお兄様だと思うじゃない。

「何故お前らがここにいるんだ?」

 アルバートお兄様が私の思っていたことを代弁してくれた。

 この状況を不思議に思うのは私だけじゃないわよね。

 カーティス様が眉間に皺を寄せながら、嫌そうに口を開いた。

「馬鹿ヘンリに朝から呼び出されたんだよ」

「僕はカーティスに言われて来たんだ。面倒だな~って思ったけど、面白そうだからいっかなって」

 フィン様の腹の内が未だに掴めない。きっと、彼が一番厄介な人物かもしれない。

 私の味方なのかどうかもハッキリ分からない。

 ただ、今まで特に私に危害を加えてきたこともなかった。リズさんにべったりだったっていう記憶も特にない。

 どちらかというと、彼の今までの言動は私サイドだったような気がする。

「……カーティス様とフィン様って仲良いわよね」

「確かに昔からここのセットはよく見る」

「まぁ、僕らはリズの魔法にかかっていない組だからね~。立場がずっと中立なんだよ」

 フィン様がニコニコしながらそう言った。

 本当に眩しい笑顔。……全国のショタコンがフィン様を推す理由が分かる。

「あ、でもカーティスは結構アリシアのこと好きだよね!」

 明るい笑みを浮かべたままフィン様はそう付け足した。

 カーティス様はどこか恥ずかしそうに「おい!」とフィンを睨む。

 確かにカーティス様はいつも私を助けてくれていたような気がする。何か事が大きくなる前に、彼が間に入ってくれていたし……。

「けど、まさか国外追放されるとは思ってなかったよ。……それに、帰って来るとも思ってなかった」

 フィン様は興味深そうに私をじっと見つめる。

 五大貴族の令嬢が国外追放されるなんて考えられないものね。

 確かに誘拐された時に人は殺しちゃっているけど、あれは正当防衛だから罪に問われないはずだし。

「アリちゃんにまた会えて嬉しいよ」

 流石プレイボーイ。発する言葉がやっぱりチャラい。

「またその目! ちゃんと本音だよ」

 カーティス様は少し声を上げる。 

「それで、ヘンリはカーティスに何の用だったんだ?」

「それが教えてくれないんだよ。家に来たら言う、とだけ言われてさ~~。本当に人使いの荒い奴め!」

「ちゃんと来るあたり偉いな」

 アルバートお兄様の言葉にカーティスは「まあね」と短く答える。

 ……ヘンリお兄様、カーティス様を家に呼んで一体何を考えているのかしら。

「フィンも一緒ってことは、そんなに内緒話でもなさそうだしな」

「……私絡みではなさそうだし。一体何の話があるのかしら」

「ん~~、アリシア絡みじゃないとは断定できないよ」

 フィン様は明るい声でそう言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ