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歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ
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 ウィリアムズ家の図書室は王宮の図書室を除けば貴族の中で最も大きいと聞いたことがある。

 確かに大きいと思う。迷子になりそうだ。……実はここに来るのは人生で初めてなのだ。

 自分の背丈の倍以上の本棚が遠くまで続いている。その上、なんとこの図書室は二階建て。

 お目当ての本を探すのに日が暮れてしまう。

 どうしましょ……。

 とりあえず、適当に歩き回ることにした。なかなか闇魔法についての本が見つからない。

 童話、植物の本、動物の本、医療本……、ない! 魔法の本が一つも見つからないわ。

 誰かに聞いたらすぐ見つかるのだろうけど、闇魔法を習得しようとしているのをバレるのはやっぱり悪女としては格好悪いと思うのよね。

 こっそりとたくさんの闇魔法を習得するべきよね。

 まぁ、本が見つからない限りは習得なんて不可能なんだけどね。

 ゆっくり日をかけて探しましょ。……探している時間がもったいないわ。

 私はヒロインを超える存在になるのよ。何か一つでも知識を増やさないといけないわ。

 一日三十分探してもなければその日は諦めて違う本を読もう。

 とりあえず、今日はもう三十分くらい探したから終わりにしよ。

 私は目の前にあった植物の本を手に取った。


 約一時間でまるまる一冊読み終えてしまったわ。読んでいて楽しかったわ。

 植物の種類が書かれている本だった。前世になかった植物ばかり載っていてとても面白かったわ。

 空飛ぶ植物や、光を放つ植物や、素敵な植物がたくさん!

 今日は植物しばりで本を読みましょ。

 私は植物の効果が書かれている本を読み始めた。


「アリシア様~」

 ロゼッタの声が聞こえた。

 そこで私は初めて本を読み始めてから十時間が過ぎていた事に気付いた。

 昼食も食べないで読むことに集中していたみたい。

 時計を見るとちょうど夜の六時だった。あら、もう夕食の時間だわ。

「アリシア様~」

 ロゼッタの声がまた聞こえた。

 早く行かないと。私は本を置いた。私は自分が積んだ本を見て自分で驚いた。

 私、一体何冊の本を読んだのかしら…。

 一、二、三……、二十三冊。

 十時間で二十三冊……。最初の一冊は一時間かかったのに……。

 だんだん読むスピードが上がったってことかしら。

 今思えばもの凄く集中して読んでいた。

 ぐぅ~~~

 お腹の音が図書室に盛大に響いた。

 ……とてつもなくお腹が減っているわ。

 とりあえず、速く本を読めた理由は後で考えましょ。

 私は駆け足で食卓へ向かった。

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― 新着の感想 ―
[一言] え、10時間も誰一人アリシアに声をかけなかったの? やばくね? 7歳でしょ?  それともそれが貴族の普通なのか?
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