表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

349/710

349

「おい、ヘンリ、もうちょっとそっちに寄れよ」

「俺はずっとここに座ってたんだよ。アランは床にでも座ってろ」

 いつも旧図書室で余裕ある雰囲気で話し合っていたけど、人数が増えたことによって一気に窮屈になった。

 ヘンリとアランが言い争っているのを止めるかのように、アルバートが笑顔で彼らに魔法をかける。

 五大貴族なだけあって、アルバートも魔力が強い。一瞬にして、アランとヘンリが宙に浮かぶ。

「これで、座る面積が増えた」

 アルバートはそう言って、僕らの頭上にアランとヘンリを浮かばしたまま、席に着く。

 ……兄の力は凄いな。

「おい! アル兄、降ろせよ!」

「アランは分かるけど、俺はおかしいだろ!」

「口も閉じることも出来るけど?」

 アルバートは含みある笑みで彼らに向かってそう言った。

 確かに、ずっとアランとヘンリの言い合いが続いていた。双子がゆえに起こる口喧嘩だと思って黙って聞いていたけど、暫く終わる気配がなかった。正直、アルバートがいてくれて助かった。

  僕はヘンリの味方だけど、話が進まないってなると、宙に浮いておいてもらおう。

「なぁ、リズ、助けてくれよ」

 アランがキャザー・リズの方を見る。彼の言葉にヘンリは怪訝な表情を浮かべる。

「リズに助けを求めるのか?」

「しょうがねえだろ。この中でリズが一番魔力強いんだから」

「……それもそうか。なぁ、リズ、助けてくれ」

 あっさり納得したな、ヘンリ。この中では確かにキャザー・リズの魔力は一番かもしれないけど、デュークの方が圧倒的に強いからね?

 僕は心の中でそう呟く。

「はぁ、しょうがないわね」

 キャザー・リズは指を鳴らす。それと同時に彼らは近くにあった本棚の上に腰を下ろした。本棚は丈夫に出来ており、揺れることなく、男性二人を支えている。

 助けてあげても、一緒の席に座らせてあげないんだ。キャザー・リズってこういう時は大概「流石に可哀想よ、窮屈になってもいいから彼らを座らせてあげましょ」って言うと思っていた。

 ……完璧な聖女を演じることがずっと精神的に苦痛だったんだろうな。

「それじゃあ、話を進めるか」

 デュークが口を開く。一気に場の空気が引き締まる。

 改めて、デュークの威厳の凄さに驚く。五大貴族の人間は今まで間抜けばかりだと思っていたけど、実際はそうでなかったことが分かる。

 瞬時に、デュークの醸し出す空気を察して、それぞれが真剣な表情になる。

 確かに、全員が生徒会メンバーに選ばれるだけのことはある。貴族は馬鹿ばっかりって批判していた時もあったけど、五大貴族は違う。

 彼らは生まれた時から、しっかりと厳しい教育を受けてきているんだ。

「生徒達の行動を抑制する為にしなければならないことよね?」

 リズの言葉にデュークは頷く。

「じゃあさ! 落とし穴作戦なんかはどう?」

 メルは目をキラキラさせながらそう提案した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
リズ、そっちの方がずっといい女に見えるよ。
前までのただの頭お花畑リズよりも今の少し擦れたリズの方が全然良い 謝罪もしたようだし[好感度ランキング下の下(消えて欲しい)]から[好感度ランキング中の下~中(多少今後が楽しみ?)]になった感じ
[一言] みんなが学園のことしてる間に、アリシアたん どんどんどんどんどんどんあちらに馴染んでるよデューク。 リズたちも、アリシアはいいのかい… ちゃちゃっと解決しちゃいなされ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ