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歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ
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 ついに貧困村にいけるわ。

 お屋敷の裏の警備は凄く緩いから誰にもバレずに簡単に抜け出せた。

 もっとスリル満点かと思っていたのにあまりに簡単に抜け出せるもんだからなんだか裏切られた気分だわ。

 私は森の前まで来た。

 なんだか夜の森ってとても薄気味悪いわね。

 私、科学的根拠のないものは信じないのだけれど、本当に幽霊が出そうで怖いわね。

 ……怖いなんて単語使っては悪女として失格よ。

 悪女は強いのよ。たかがこんな森にビビってはいけないわ。

 私は震える体を引き締めて森に足を踏み入れた。

 本当に真っ暗ね。ランプを持ってきておいて良かったわ。

 正直、道がないから本当に自分の歩いている方向が正しいのか分からないわ。

 自分の勘を信じるしかなさそうね。きっと辿り着けるはずよ。

 なんだか木々がおぞましい巨大な怪物に見えてきたわ。

 でも、負けないわよ。私は貧困村に行くんだから。

 木々は別に襲ってくることなんかないもの。ただの木。

 私は森の中を走った。

 やっぱり普段の剣の稽古と筋トレのおかげで随分体力ついたみたい。全然息切れしないもの。

 私はあっているか分からない方向をひたすら走り続けた。

 走り続けていると森の不気味さなんて気にしている余裕もなかった。

 一時間ぐらい走ったところで霧が見えた。

 どうしてあそこだけ霧で覆われているのかしら。……もしかして、あそこが壁?

 ちゃんと辿り着く事が出来たの!?

 凄いわ、私……。誰も褒めてくれる人がいないから自分で自分の事を褒めておく。

 肝心なのは、あの壁は魔力を持つ者しか通れないのよね。

 私、魔法は使えないけど魔力は持っているから通れるのかしら。

 とりあえず近づいてみましょ。

 本当に奥がなんにも見えないわ。霧の向こう側が貧困村なのよね。

 夜の貧困村って本当に治安が悪そうだわ……、まだ確かめてないのに偏見で決めつけるのはよくないわね。

 とりあえず自分の目で確かめてみなきゃ。自分の心臓の音が聞こえる。

 私は深呼吸してから貧困村の方へ足を進めた。


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