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歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ
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 どうしてデューク様の記憶が消されたのかしら。家に帰ってきてもそれほど大きな問題にもなっていないのだけれど……。王子が記憶を消されるなんて一大事よ。国王様が王子の記憶喪失を隠したがっているのかしら。デューク様の記憶を消して一番メリットのある人間は……私?

 もしかして私が知らない間にデューク様の記憶を消していたのかしら。……ってそんなわけないわよね。確かにデューク様の記憶がなくなれば私の印象は変えられるわけだけど、そんな事はしないわ。

 私はベッドの上に座って、そんな事を考えた。

 メルが明日詳しい事を教えてくれるみたいだから今日はもう深く考えずに寝るべきかしら。ああ、でも気になって眠れないわ。

 コンコンッと扉をノックする音が部屋に響いた。

「アリシア、まだ起きているか?」

 お父様? こんな時間に何か用かしら。

「起きていますわ」

 そう言ったのと同時に私は扉を開けた。

「少し話がある」

「……あまり顔色がよろしくないですわ。お休みになられた方が良いのでは?」

「いや、大丈夫だ。そんな事よりも緊急事態だ」

 お父様がいつになく真剣な表情を浮かべている。

「デューク様の件ですか?」

「やっぱりアリシアはもう知っていたのか」

「ええ。まぁ、校舎でお会いしたので」

 ……王子が記憶喪失なのは確かに問題だけど、お父様がこんなにも疲れているのは絶対に他の理由があるはずだわ。例えば、家族が巻き込まれたとか……。

「記憶を喪失させた容疑にアリシアの名前があがったのだ」

 低く重い声でお父様はそう言った。

 ……私!? てっきり仲の良いヘンリお兄様が巻き込まれたのかと思ったわ。

「えっと、どうして私が容疑者に?」

「私にも分からない……。今、外で陛下の衛兵が待っている」

「牢に入れられるのですか?」

 私の質問にお父様は黙り込む。

 愛娘に、お前は今から牢に入れられる、なんて言えないわよね。

「……逃げるか?」

 予想外の提案に私は驚いた。お父様がそんな提案をするとは思わなかったわ。確かにいつも私を助けてくれようとしてくれているけど、今回は話が別だもの。もし私が逃げれば、家族全体に迷惑がかかるわ。それに、悪女が一番してはいけない行動が逃げる事よ。正々堂々と戦ってやるわ。……相手はまだ誰か分からないのだけれど。

「いえ、国王陛下の衛兵の元へ行きますわ」

「何をされるか分からないんだぞ。犯罪者として扱われる」

「分かっておりますわ。ですが、逃げるなんてそんな恥ずかしい真似は出来ないでしょう?」

 私が微笑んでそう言うと、お父様は諦めたように肩の力を落とした。

「必ず助け出す」

 ……あら、なんて格好いい台詞なのかしら。お母様がお父様に惚れた理由がよく分かるわ。

「では、行ってまいります」

 私は玄関へ歩みを進めた。

投稿が随分と遅くなってしまい本当に申し訳ございません。

待っていてくださった方、本当に有難うございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんかモヤモヤするんだよね。設定もキャラメも面白いのに、話がまどろっこしいからかな?もっと無双的な感じでもいいと思うけどな。 アリシアめっちゃ努力してたのに、今じゃ学園の授業もサボりまくって…
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