表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ
16/710

16

 前に国王様に話したけど……実際、貧困村って今はどういう状況になっているのかしら。

 やっぱり自分で口に出しておいて見に行っていないのはまずいわよね。

 百聞は一見に如かず。行ってみようかしら。

 けど、お父様が絶対に許してくれないわよね。どうしましょ。

 いくら優しいお母様でも、私に甘いお兄様達でも、絶対に反対するわ。

 普通に暮らしていたら絶対に貴族が行くはずのない場所だもの。

 外出する時は基本お兄様達も一緒だし、一人の時はロゼッタがついてくるから……。

 こうなったら、バレずにこっそり行くしかないわよね。

 私は念入りに計画を立て始めた。

 夜中に出て行くしかないわよね。でも絶対警備している者にバレるわ。

 ああ、透明人間になれないかしら。

 ……そうよ、透明人間になればいいのよ。

 透明人間になれなくても違うものになればいいのよ!

 ……けど、魔法はまだ使えないのよね。まだ本を見つけられていないんだもの。

 まず、貧困村って町を通ってさらにその奥の森の中にあるのよね。遠すぎるわ。

 私は地図を机の上に広げた。

 ……ん? このお屋敷の裏の森から貧困村に通じているわ。随分近道できるわ。

 道があるわけじゃなさそうだけど、行けないことはないわ。

 でも確か、貧困村には魔法でこの森に入れないように壁が作られていたはず。

 その壁って魔力を持つ者なら通る事が出来るのかしら。

 分からないわ。人には聞けないし。魔法の本は見つからないし。前途多難!

 もうこれは当たって砕けろよ。通れなかったら違う道を探すしかないだけ。

 やってみる価値はあるし……。森を通って貧困村を目指すわ!

 でもかなり時間がかかりそうだから乗馬は出来ないし…。

 馬に乗れたとしても森に道がないのだから結局無理なのよね。

 早めに家を出るしかなさそうね。

 夜九時に寝る事にして、そっから向かったとして……。

 十キロぐらいだから、走ったとして今の私の体力からして約一時間くらいで行けるから…。

 結構貧困村に滞在する時間はあるんじゃない?

 それに十キロ走ったらいい運動になるわ。八歳にしては身体能力が随分高い方になるわよね?

 悪女は何においても人より卓越しておかなければならないもの。

 そしたらヒロインの事も馬鹿に出来るわ。

 私は夜になるまで読書しようと思い、図書室に向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ