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歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ


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「え?」

「アル兄達もそれからデュークの前ではアリの悪口を言わなくなった」

「デューク様が殺したのですか?」

「そういう事だ」

 ヘンリお兄様は頷く。

 そういう事だ、じゃないわよ。私のせいで死んだみたいじゃない。

 人を殺してまだ人気があるってどういう事? やっぱり世の中顔って事かしら。

 それにしてもデューク様……怖すぎない?

 ホラーゲームみたいになっちゃうわ。

 デューク様に重い過去があるのは確かゲームでやったから微かに覚えているのよ。

 どんな過去か忘れてしまったけれど……。

 でも段々ヒロインに惹かれて性格が朗らかに……私に恋したからだわ!

 恐ろしい性格のままって事よね?

「今日久々にデュークの笑った所見たな」

 ヘンリお兄様が軽く口角を上げながら嬉しそうにそう言った。

「色々聞きたい事がありますが……本人に聞く事にしますわ」

 私はヘンリお兄様に笑顔を向けてからその場を立ち去ろうとした。

「そういやその目どうしたんだ?」

「今頃!?」

 私がそう言う前にジルがつっこんでくれた。

「聞くタイミング逃したんだよ」

 これは言った方が良いのかしら。

 謎のままにしておいた方がいいのかしら。

 メルとデューク様は知っているけど……多分口外はしないだろうし。

「言いたくないなら別に無理に聞かないぞ。……格好いいな、眼帯」

 そう言ってヘンリお兄様はクシャっと笑った。

 ヘンリお兄様になら言ってもいいわよね。

「僕が作ったんだ」

「ジルが? 器用だな」

「でしょ? それにしても片目だけでも迫力あるよね」

 ジルが気を遣って話をずらそうとしてくれる。

 今、ここには誰もいないし……言うなら今よね。ヘンリお兄様はどっちかっていうと私達の味方だし。

「目はある方に差し上げたの」

 私はヘンリお兄様を真っすぐ見ながらそう言った。

 ヘンリお兄様は目を一瞬見開いたが、その後、私の頭を軽く撫でた。

「アリにはいつも驚かされるな。アリの体の事だから俺は何も言わない」

「私、ヘンリお兄様のそういう所が好きです」

「そりゃどうも。……絶対、デュークは怒るだろうな」

「もう怒られた……というより、呆れられました」

「言ったのか!?」

 急にヘンリお兄様が大声を上げた。

「だから、食堂に行ったんですよ」

 私がそう言うと、私の方をじっと見ながらヘンリお兄様は何か考えだした。

 まぁ、私の食堂の態度からしてデューク様に目の事を話したとは想像できないでしょうけど。

 ……今思えば、私、大勢の前でかなりまずい事しているわよね。

 王子の胸倉を掴むなんてまさに悪女だわ!

 あれだけで、歴史に名を……そんなに甘くないわよね。

「道理であんなに機嫌が悪かったのか」

 ヘンリお兄様はなにか納得したように呟いた。

「機嫌が悪かったのですか?」

「誰も話しかけられないレベルにな」

 そう言ってヘンリお兄様は苦笑した。

 デューク様に聞きたい事が増えすぎて何を聞けばいいか忘れてしまいそうだわ。

「では私はこれで」

「あ、あともう一つ」

 私が立ち去ろうとするとまた止められた。

 何だか嫌な予感がするわ。

 できれば聞きたくないけど、逃げる事は出来なさそうだし。

「レベル90は習得出来たのか?」

 ヘンリお兄様は私の目を見据えてそう言った。

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― 新着の感想 ―
[一言]主人公サイドが過激すぎてもうこのゲームアリシアが言ってる通りホラゲーだろw
2025/04/13 08:11 さくらもち
[一言] デュークはアリシアを婚約者に認定しているのだから、アリシアへの悪口はデューク、ひいては王族への悪口となるのだから 不敬として処刑されても文句は言えないよな。
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