表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/710

100

 ふかふかのベッド、柔らかい枕、温かい人肌。

 ……温かい人肌!?

 私は驚きのあまり目を覚ました。

 眠気が一瞬で吹っ飛んだ。

 長い睫毛、整った鼻、少し薄い唇、なんて綺麗な寝顔なのかしら。

 一生見ていられるわ。

 ……だめよ、悪女は男になんか振り回されないんだから。

 けど、どうしてデューク様が私の隣で寝ているのかしら。

 それにどうして上半身裸なの?

 ……筋肉質で綺麗な体だわ。

 私もこんな風に筋肉をつけたいのよね。

 どんなに筋トレをしても全く形にならないのよね。 

 私はそんな事をぼんやりと考えながら部屋を見渡した。

 ここって、……私の部屋じゃないわよね。

 私の部屋はこんなに広くないし、こんなにシンプルでもないわ。

 という事は、デューク様の部屋って事よね?

 つまり、王宮って事よね?

 どうやってここに来たのかしら……馬車に乗ってからの記憶がないのよね。

 すぐに寝てしまったのよ。

 とりあえず、今、私に出来る事は一つだけだわ。

 ……ここから逃げましょ。

 私は物音を立てないようにベッドからそっと降りた。

「どこに行くんだ?」

 私がベッドから降りたのと同時にデューク様の声が聞こえた。

 もしかして、さっきから起きていたのかしら。

 私はゆっくりデューク様の方へ振り向いた。

 ……ダイヤモンドのネックレス。

 どうしてデューク様が持っているのかしら。

 確か私の首に……魔力を封じ込める首輪がなくなっている。

「アリシアが頭を吹っ飛ばした男のポケットから出てきた」

 そう言ってデューク様は意地悪そうに笑った。

 嘘でしょ。

 まさか、私、その高級なダイヤモンドのネックレスを盗られていたの?

 自分の血の気が引いていくのが分かる。

 やっぱり、逃げたほうがいいかしら。

 私は何もなかったかのようにデューク様に背を向けて歩き出そうとした。

「こっちに来い」

 そう言ってデューク様が私の腰に腕を回して軽々と私を持ち上げた。

 これは反則技では?

 私はそのままベッドの上でデューク様の前に座らされた。

 どうして向かい合わせなのかしら。

 今から物凄い説教でもされるのかしら。

 弱気になってはだめよ。悪女たるもの、説教ぐらいではめげないわ。

 デューク様が優しく私の首に手を回した。

 ……え?

 どうしてデューク様の顔がこんなにも近くにあるのかしら。

 私の頭が真っ白になる。

 気付けば胸元にはダイヤモンドのネックレスが戻ってきていた。

 前と変わらずダイヤモンドは美しく輝いている。

「綺麗だな」

 デューク様が私の目を真っすぐ見ながらそう言った。

 ……ダイヤモンドの話ですよね?

 主語をつけて欲しいですわ。私をからかっているんですよね?

 蒼い瞳は真剣に私を見つめる。

 自分の体が熱くなるのが分かった。 

 こういう時ってどうすればいいのかしら。 

 ヒロインなら間違いなく目を逸らしていると思うの。

 でも、目を逸らすのは失礼だと思うし、何よりもヒロインがしそうな事は絶対にしたくないのよね。

「あの、国王陛下は……」

 私は思わず国王様の方に話題を変えてしまった。

 私がそう言った瞬間、デューク様の顔が曇った。

 基本的に自分の発言に後悔する事はないのだけど、この発言に対しては物凄く後悔した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
アリシアは貴族、 結婚できなくなったなw
[気になる点] ロリコン、気持ち悪い
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ