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歴史に残る悪女になるぞ  作者: 大木戸 いずみ


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10 八歳 ウィリアムズ家長女 アリシア

現在八歳 ウィリアムズ家長女 アリシア


 私は一年間のアルバートお兄様のスパルタ練習を経て、剣を振り回せるようになった。

 そう、振り回せるようになっただけ。

 一年間は剣を何時間も持てる筋力をつけなければならないと言われ、私は一年間筋力をつけ続けた。

 お兄様達は流石に私が一年間も続けられるわけないと思っていたらしい。

 確かに途中で飽きてきてしまったわ。

 だって毎日毎日ただ重たい剣を持って素振りの練習ばかりなのよ?

 続けるのには相当な忍耐力が必要だったわ。

 私には世の中で一番の悪女になるっていう目標があったから続けられたのだけれど、それがなかったら三日坊主になっていたところだわ。

 最初の頃は十五分持っていただけでへとへとになっていたのだけれど、半年もすれば数時間持てるようになって……。今じゃ一日中持っている事ができるようになった。

 自分で自分を褒めたいわ。私、凄いって。

 実は剣を長時間持てない事が悔しくて、毎晩部屋を抜け出して庭で自主練していた事は内緒だけど。

 私、負けず嫌いなのよね。根性だけはあるのよ。

 けど、歴史に残っている悪女はきっともっと努力しているはずよ。

 まだまだ頑張らないとね。

 それにしても筋力は物凄くついているはずなのに、見た感じだと全然分からないのよね。

 それが残念だわ。別にマッチョになりたいわけじゃないけれど、少しくらい目に見える努力の成果が欲しいのよね。

 それと、私はなんと一年で約四千冊の本を読んだのよ。

 普通の人が一年にどれだけ本を読むのか分からないけど、多い方だと思うわ。

 そんなに読んだのに闇魔法の本は一冊も読んでいないのよ。本当になかなか見つからない。そもそも、あの図書室に魔法の本があるのか疑ってしまうわ。

 誰かに自慢したいけど、私が図書室に籠って本を読んでいる事は誰も知らないから自慢できないのよね。それに真の悪女は自慢なんてしないはずだもの。

 お屋敷では私が剣術を始めて、しかも一日約十時間どこかへと消えているから、色々な噂が出たらしいけど、私はどんな噂が出ていたのか知らないのよね。

 お母様は驚いただけだったのだけれど、お父様は私の事を凄く心配して、本気で医者を呼ぼうとしたのよ……。それはもちろん阻止したわ。

 お兄様達は私の行動に段々慣れてきたみたいだったわ。

 そして、お兄様達の美形のお友達の方々も頻繁にお屋敷に訪れるようになったのよ。

 ヘンリお兄様に理由を聞いたら、私の様子を見に来ていたらしい。

 私は客寄せパンダじゃないわ。こっちは真剣なのに面白がって見に来ないで欲しいわ。

 常に視線を感じるのよ。練習といえども緊張するわ。

 まぁ、悪女たるもの、どんな状況下であろうと冷静にならないといけないから、私は出来るだけ剣のお稽古に集中しているのだけれど……。

 デューク様は他の方々と喋らずに私が稽古している間ずっと私を見ているのよ。

 本当にやめて欲しいわ。心臓がもたない。他の方々と一緒に喋ればいいのに……。

 それに目が合うと、とても優しい表情をなさるのよね。

 あんな表情されると誰でも一瞬で彼に落ちるわよ。

 勿論、私は大丈夫よ。彼には落ちないわ。だって知っているもの、デューク様はヒロインと恋に落ちるって事を。


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― 新着の感想 ―
[一言] 一年で4千冊って普通に大吾じゃん、一日十冊読みってクレイジーじゃん
[一言] 本当の悪女は努力などしない
[気になる点] 1日100冊読むのに1年で4000冊はさすがに少ない
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