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攪乱血

作者: イタチコーポレーション

とある夜中

田舎の山の中で、怒濤な爆音が、鳴り響いた

そこには、ビニールハウスのように

長細く

されど、銀色に囲われた建物が、いくとおりも並んでおり

それは、一瞬の内に、かききえた


「けさがた、長野県の山中にある養鶏場が

何者かによって爆破

全棟が、破壊されており

さいわい人間の死傷者は、ありません」

テレビの前には、手から、四角い箱のような物を

くるくると放り投げる男と、鶏の被り物をしている

赤いスカート姿の少女風の女の子がいた

「なあ、とんち、次はどこにしよう」

無精ひげのスーツ姿の男が、鶏少女に聞く

彼女は、テーブルに、無造作に置かれている地図を指すと男を見た

「近いぜ場所が、ばれるやもしれないぞ」

彼女は、さして、こだわりがないようで

別の方を指した

「鳥取、なぜにまた」

彼の声を聞く物は、そこにはおらず

テレビを消した少女は、いつの間にやら、部屋からキエていた

耳を澄ますと

したの階で、なにやらごそごそとおとがする

男は、もう一眠りを考えたが

後で何をされるか分からない恐怖に

ゆっくりながらも

こしをあげたのである


「おい、知ってるか、今鶏やら豚やら牛やらが

馬鹿に高くなってるって」

隣の席の加藤大祐が、銀歯をぎらつかせながら

弁当を、食べているホームルーム前の自分に聞いた

「ああ」

僕は、かにたまを、選び、はしで、口に運び

ふと思案した

最近、

全国どころか

世界規模で、起きているテロ

その内容は、全世界の養鶏場や養豚場などの

食肉もしくは乳製品類を

作るであろう施設の破壊・・いや、爆破だ

最近では、輸入類の食肉を乗せたタンカーが沈没したらしく

一時期、豚肉百グラム千円を、越えた時期があった

というか、今現在進行形で値上がりを起こしており

政府は、対策を取る取るといって

もう三年目に突入しており

魚の養殖が、政府により推進され始めていると

ユーチューブ

でやっていたのをこの前見た

というか

内の親の漁港でも、国から押し進めろ金は出すから

とお達しがきたらしく

それにともなって

それ関係の業者やら先生やらが

若手やらを育成するらしく

「おまえも将来やれよ」とおやじに言われるほどだ

正直、そんな企業みたいな事はあまり性には合わないような気がするが、仕事なら仕方がないのだろうかと思いたくはない絶対に

いずれにしても、依然犯人どころか

それがどういう組織かわかっているのだろうか国は

ネタサイトでさえ、あまり、と言うかバラバラすぎて

誰も確証をネタでさえ得ていないようだった

「でさあ、あゆゆんがさあ」

弁当が食べ終わりしまった頃には、加藤の話題は

別の方へと移り変わっているらしかった

果たして、ハンバーグ好きの自分が、次食べられるのはいつのことだろうか

空に浮かぶ雲は白いと思いながら

ホームルームが始まった


「しんでしまえ」

コンビニの中で

卵をにらみながら

わたしはそう思った

なぜ、なぜ、卵が一つ1000円もしなければいけないのか

お菓子作りが趣味のわたしにしてみれば、それは、ケーキ パン シュークリーム チーズ カスタードを

食うな 作るなと言われるに等しい

もう、わたしは、乳製品を、使ったお菓子を食べることがかなわないのだろうか

ようやくつかんだ情報というか

単に、知り合いだから知り得たのだが

王手の全国チェーンコンビニだからこそ入荷できた

わたしは、それをまえに、考えていた

かおうかどうか

何でもっとやすくならないのか

どうして、10個100円の時代が、夢のように感じる

しかし、よく考えてみれば

一つじゅうえんと言うのもなかなか安すぎる

これは、企業努力と言えようか

わたしは、一時間ほどうろちょろした後に

頭に、ショートケーキが、浮かび

気が付くと

財布をとりだし

レジに代金を支払っていた

意気揚々で、わたしは帰り道


ヴ ヴ ヴ ヴヴ ヴ ヴ ヴ


最近肉がで回り始めた

そのおかげで、魚の養殖はなから頓挫したが

それでも、十年の月日

日本から食肉類が全て姿を消した頃合いだった

その時間が十年

あの日、妹が、意気揚々とケーキについて熱い電話を携帯にかけてきた日が懐かしい

今では、父親と一緒に漁にでているが

あの無骨だった子供のことを気にしているのかと突っ込みたい男が

妹の謎の失踪から七年

酷くやつれつけ込んだものだと

船の縁で海を見つめる父親を見て思う

もうそろそろ漁場だ


「まず舌を切り取ります」

係員は、そう言うと

妙に透き通った刃を、豚の舌の付け根に、差し込み

いとも簡単に、切り取る

それを、何十頭と並んだ豚に対して

手早く仕事と割り切り実行する

彼らの歯は全て抜かれており

その口には鉄の器具で口が閉じないようにしてあった

血が吹き出すが

後から別の係員が、やきごてで、舌を焼く

何度も、口の別の部位が焼けているようだったが

数の関係上一つ一つにかまっていられないようであった

また、これは面白いのであるが

彼らは、みな、牛のようなお面をかぶっており

血が目に入らないようにする為なのかも知れない


「本当、安いって良いわね

久しぶりにお肉食べたわ」

スーパーで主婦の一人が

肉のパックを、手に持ち隣の女性に言う

「ええ、肉汁なんてものは、人工の大豆では到底かなわないですよ、私は嫌いですけど娘はあればかりだからお肉を食べるまで、こっちの方が良いって」

主婦たちは、相づちを打ちながら

別のコーナーへと並んであるいていった



ヴヴヴヴヴヴヴヴ


「なあ、最近なんかおかしいんだが」

「おかしい」

私は、隣で、紙コップにプラスチックのふたがしてあり

その上にストローが刺さっているものを飲んでいる彼に聞いた

周りは、蝉の音がうるさく

ベンチの周りは、雑草が、はびこり何だが歪な感じである

彼は、首の後ろ辺りを、軽く掻いた後

「なんだか虫がいるようだよ」と前置きをした後

「実は、肉の中からかみが見つかったんだよ」

髪、動物の食肉加工前の物が混入したと言う事だろうか

「僕、保健所だろ仕事先がさ、それで、先輩に連れられて

あの肉の運搬に付き合わされたんだよ何でも上の方のお達しとかでさ」

彼は、暑そうに、額の汗を手の甲で拭う

ポロシャツのチェックの柄がわずかに濃くなっていた

「髪って、まぎれる物じゃないの」

彼は、首を振る

「動物に、髪の毛なんて混入しないだろ、それに、それだけじゃないんだ

実は」

彼は、座っている腰を上げると

後ろのポケットから

茶色い封筒を、取り出し、中からビニールの密封パックに、入れられたものを取り出す

それは、赤く汚れており

彼は、それを私に渡す

なぜそんなものを私に渡すのだろう

「ほら見てくれよ、この小さな文字」

確かにそこには、三センチを、二つ折りにしたような

小さな紙に

薄い何で書いたかはわからない文字で

びっしりと文字のようなものが書かれている

「なにこれ」

私は、それを彼に返して

立ち上がろうとした

「まあ、待ってよ

僕も、君が悪くてさ

嘘だろうと思うけど

内容が、あの肉は人間だって」

男は、ずり落ちるように、しゃべる途中から

ベンチから地面に転がる

彼の首は、空を見上げていた

「終わったのか」

声が聞こえる

それは、若者と言うには、幾分落ち着いていたが

あまり、幸福そうな声ではなく

どこか不機嫌だ

しかし、男の問いかけに答える声は無く

草むらから遠ざかる音が聞こえた

彼女は大丈夫だったのだろうか



「それで、それは加工現場に回すとして

子供の生産が間に合っていないって、どう言う事

もう受注が、ばんばん破裂しそうなのよ」

ぶよぶよとした肉の塊の豚をガラスの上から見下ろした女が電話越しに怒鳴る

携帯電話の相手は

「金になるんだよ

それに、一手に引き受けているんだから仕方ないだろ

それにしても計画性の無い」

女は、鋭い目つきで、見えない電話相手を睨んだ

ドアをノックする音が聞こえ

彼女は、電話を切る

「社長、新しい器具が届きましたが

如何しましょう

今のままでも、トサツは、可能ですが

これを使う事により

一撃で殺すことが容易くなりますし」

女は、入ってきた男を睨んだ

「まだ、経費がこちらに入って来ていない以上

もう少し見送りね

それよりも、餌なんだけど」

女は、クダンと名札に書かれたその社員に

ディスクの紙を渡した

「こんなものでいいと思うんだけど」


「それで、次はどこにする」

段ボールを、被った男が、少女に聞く

いや、実際には、パソコンで打った画面を

少女に向けた

「さあ、中国でも良いし

また、集まったやつらでもいいんじゃない」

そう言って彼女は、その細い指で鳥取を、指さす

男は、はいはいとうなずくと

パソコンを、打ち出した


人は、血塗られた上に生きている

それでもなおそれがどうでも良いほどの事にして生きるのか

それを、見なかったことにして生きていくかその違いは大きい




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