生卵とマヨネーズについて ~異世界料理のための豆知識~
異世界物の小説のためのネタとして調べてたんですが使う場面がなかったので、こちらにまとめてみました。
異世界転移物の小説をよく読んでいて出てくるネタとして、卵かけご飯は食べたいけど、異世界の生卵はお腹を壊すので食べてはいけないというのがあります。
これは現実世界でも海外では生卵は食べていけないってところから来ているネタだと思います
どうやら安心して生卵を食べれるのは日本だけのようです。
海外で生卵を食べていけないとされるのはサルモネラ菌のためです。サルモネラ菌を一定以上摂取すると食中毒を起こします。
感染すると2日ほどの潜伏期間のあと、嘔吐や発熱・下痢などが数日続き、重症時には死亡することもあります。また長期に渡り保菌者となって二次感染を起こします。
このサルモネラ菌の感染源として多いのが卵の殻や鶏肉です。サルモネラ菌は熱に弱いので十分に加熱すれば安全ですので、生卵や鶏の生肉には注意しましょう。
では、どうして日本では生卵を食べても大丈夫なんでしょうか?
それは日本では生卵の出荷時に殺菌することが食品衛生法で決められているためです。食毒には次亜塩素酸ナトリウムなどが使われるようです。
他にも鶏のエサに抗生物質などを混ぜたりワクチンをうったりしていることもあるようです。
海外でこのような法律のある例は(私の調べた範囲内では)なさそうです。海外の生卵は出荷時に殺菌どころか、洗ったりせずに売られているという話です。
ですので海外で生卵を食べるということは、サルモネラ菌による食中毒のリスクが高いということです。
それだけでなく、料理中に卵の殻に触れたら、すぐに手洗いしないと危険ですよ。
卵料理をして、そのままサラダを作ったりとかすれば、家族中にサルモネラ菌をばらまくようなことになります。
さて、異世界料理の定番としてはマヨネーズを主人公が発明するなんてのがあります。
でも、マヨネーズって生卵使ってますよね。卵黄だけだったり全卵使ったりとかいうパターンはありますが、生卵なしのマヨネーズってのは見たことがありません。
(現代ではそういうのもあるようですが、日本ではJASでマヨネーズは卵を使用したものと決まっているため、マヨネーズ風調味料なんて表記になるようです)
考えてみればこれは問題ないはずなんです。だってもともとマヨネーズって日本の調味料じゃないじゃないですか。
海外でも生卵使ってマヨネーズ作ってるじゃないですか。
生卵は食中毒になるけど、マヨネーズは大丈夫なんです。
じゃ、どうしてマヨネーズは大丈夫なんでしょう?
それはマヨネーズに含まれている酢と塩のおかげです。
酢の殺菌力と塩の細菌の繁殖を抑える効果により、サルモネラ菌が死滅してしまうのです。
保存料を使っていないマヨネーズは常温でも腐らないそうです。
実際JASの規格でマヨネーズには着色料や保存料は使用できないそうです。
ただ、自家製のマヨネーズで食中毒になったという事件もあるそうなので過信は禁物。
これらは主に酢の分量が少なかったことによるもののようです。
市販のマヨネーズの酢の割合は8.7%~10.5%だそうですので、このあたりのウンチクを混ぜるとそれっぽくなるかもしれませんね。
ただ、マヨネーズの発明のお話を作るにあたって酢のほうがキーになるでしょうか?
調べてみると、酢のような調味料は太古からあったようです。
日本でも米酢は酒を作る技術とともに中国から伝わったとされてますし、普通に酢は異世界にもあったとしてもよさそうですね。
酒はどのお話にも出てきてますし。