眼鏡をかける ②
「ただいまー」
我が家に帰り着き、朝食の準備中のお母さんに声をかける。
「朝ごはんまだならシャワー先に浴びるけど、できてる?」
「ああ、シャワーなら、ネスキーさんが浴びてるから後にしなさい」
ならしょうがないか……って、ヘイ、ママン? ネスキーさんって誰?
と、私がお母さんに尋ねる前に、風呂場へと続く廊下からネスキーさんが姿を現した。
ていうかさっきの不審者だった。
ロン毛を丁寧にタオルで挟むようにして拭いている。女子かお前は。
「ああ、いえ、お気遣いなく。俺はもうあがったので」
「あら、早いんですね、ちょっと待っててくださいね、もうすぐ朝ごはんできますから」
「じゃあ私はシャワー浴びてくるね……ってなんで慣れ親しんでんのよあんた!」
今回ばかりは意図的に渾身の右ストレートを放つ。
なんで当然のような顔でうちのシャワー使ってんだよ!
「エンジェッ!」
不法侵入者、略してやっぱりふしんしゃは意味不明な叫び声と共にその場に倒れ伏す。お母さんはベーコンを炒めているので、娘のバイオレンスなシーンは見られていない。心配そうな声で「どうしたの?」と訊いてきたが、誠実に「なんでもないよ」と返しておいた。
そうだ、なんでもないことにしなくっちゃ。
私は男のロン毛を引っ張り、玄関まで引きずった。
「あんたなんでここにいるの? そしてなんでお母さんと親しげなの?」
もしかしてこの甘いマスクでお母さんを籠絡したとか? いや、お母さんはお父さん一筋だしそれはないか。ていうかそんなことあってほしくない。じゃあもしかして親戚? それともホームステイとか? だったらとんでもないことしてるな、私。
私があれこれ可能性を考えていると、男は不敵に微笑む。
「俺がどうして母君と仲がいいのかと言えば、これを使わせてもらったからだ」
男はそう言うと、どこからともなくリング状の光る物体を取り出した。天使の頭の上によく乗っているあれだ。
「いや、意味わかんないんだけど……」
「これは天界の技術の粋を集めて創られたアイテム、〝天使のわっか〟だ」
そのまんまじゃん。ていうか天界とか何言ってんだろう? 企業の名前とかだろうか?
男は私のじとーっとした視線に気付かず、得意げに天使のわっかについて話し始めた。
「これを某カードゲームに出てくる天使のように、目から後頭部にかけて一周するようにかぶせることで、その人間に天使の存在を理解させることができるんだよ」
「洗脳じゃんそれ!」
うちのお母さんになんてことしてくれたんだ。
そして某カードゲームって何だ。
「せ、洗脳ではない! ただ天使について必要な知識を与え、そしてそれを信じやすくしてるだけだ!」
「おいこら、最後の方は完全に洗脳でしょ」
私がどすのきいた声を出すと、先ほどまで傲岸不遜な態度をとっていた男は膝を抱えて丸まり、急にいじけた態度をとり始めた。
「だって人間って全然俺たちのこと信じてくれないし、しかもめっちゃ攻撃的なんだもん。このままいくと俺、堕天しちゃいそう」
おのれ、また訳の分からんことを。
さっきから天使だのなんだの怪しいことこの上ない。もしかすると新興宗教の方だろうか? うちのお母さんだまされちゃった?
って、そうこうしているうちに時間がなくなってきた。急いでシャワーを浴びて朝ごはんを食べて学校に行かなければ。こんな奴のせいで私の皆勤賞が奪われてたまるものか。
「これ以上ここにいるなら警察に通報するからね! 分かったらさっさと出て行って」
私がぴしゃりと言いつけると、男は天使のわっかを大事そうに抱えて出ていった。
私はドアの鍵をきちんと閉める。その場でへなへなと崩れ落ちそうになる。ふう。良かった。なんとか追い返せた。実はけっこう怖かったのだ。
シャワーを浴びて忘れよう。いくら体育会系といえど、汗だくのまま学校に向くわけにはいかない。私だって乙女なのだ。
「陸上部、なめんなよぉーっと」
私はその掛け声と共に自分の教室に到着。あの男のせいで遅れた時間を自慢の健脚でなんとか巻き返したのだ。
「はぁ……警察にビビって逃げるとか、何が天使だっつーの」
そんな風に自分の席でぼやいていると、
「天使? どしたの里美、似合わない単語呟いて」
佳奈が遅刻ギリギリにきて私の隣に座り、失礼なことを言ってきた。
「はったおすぞこら」
佳奈は私と同じ陸上部で、私と同じクラスで、私の隣の席の腐れ縁な友達だ。しかも幼稚園からの付き合いだから縁が腐れきってそろそろ切れるんじゃないかと思っている。まぁ、こんなこと言ってるうちは切れないんだろけど。
佳奈はお気に入りのポニーテールを揺らしながら私の顔を覗き込む。彼女曰く、『ポニーテールにしておけばその名が指し示す馬の如く走ることができる』らしい。ここから分かることは、佳奈の頭が悪いことと、やっぱり佳奈の頭が悪いことだ。
ちなみに本人は未だにポニーが仔馬を指していることを知らない。二十歳になったら教えてあげようと思っている。
短距離では部内トップの成績を誇る佳奈が、長距離を走った際に生まれたての仔馬のようになったことは今思い出しても笑える。
「いや、ツインテールって天使の羽みたいだから、私もそういう髪型にすればもっと高く跳べるかなぁーって」
「あっはっは、何言ってんの、そんなわけないじゃん」
「そのポニーテールもぎ取るぞこら」
私たちがそんな風に今どきの女子高生らしい会話を繰り広げていると、担任の先生が教室に入ってきた。
「おら、全員席につけ。あー、倉田と斎藤は決着がつくまで腕相撲してていいぞ。男なんだから白黒はっきりつけろ」
数秒後、後ろの方から倉田(将棋部主将)が勝利の雄たけびをあげる。
「よっしゃあああああああああああ!!!!!!! すまんな斎藤、将棋部の未来のためにもここは譲れないんだよ……約束、守ってもらうぞ」
一方負けた斎藤(サッカー部主将)は悔しそうに、
「……わかったよ。今度の土曜のグラウンドの使用権はお前ら将棋部に譲るさ」
二人の勝負の決着に伴い、周りで見ていた男子たちが騒ぎ出す。
「ちくしょー! やっぱりだめかぁー」
「やっぱり倉田が勝つのか……よかったぜ、倉田に賭けておいて」
「おい、斎藤の大穴に賭けた奴って今日はどれくらいいるんだ?」
「なんか倉田がこの前の練習で怪我したって噂流れてたから結構いるんじゃないか?」
「将棋の練習でどうやって怪我するんだよ……」
色々聞こえたが、どうやら倉田と斎藤のどちらが勝つか賭け事をしていたらしい。
ていうかこのやりとり、月曜になると毎回やってるけど将棋部はグラウンドで一体何をやってるんだろうか? ていうか毎回将棋部に腕相撲で負けるなよサッカー部。
私がそんな感想を抱きながら隣の席の佳奈に話しかける。
「はぁ、男子ってなんでこんなくだらないの好きなんだろうね……って佳奈? どうしたの?」
隣に座る佳奈は冷や汗をだらだらとかきながら、何かチケットのようなものを握りしめていた。
「どうしよう里美、今日のお昼ご飯のお金なくなっちゃった」
お前もか。
そういえば佳奈の趣味って競馬だったっけ。単に馬が好きなのかと思ってたけどこの分だと怪しそうだ。
「いいよ、今日は驕るから」
私がしょうがなくそう言うと、佳奈が仔馬というよりは子犬のようにじゃれてきた。スキンシップにしてはやりすぎと言うほどに抱き付いてくる。なんだか柔らかいものが押し付けられた。私はそのふにふにとした感触を確かめながら思う。お互い貧乳と言っても差し支えないサイズだけど、微妙に向こうの方が大きいのがむかつく。
「おお! 里美、愛してるよ」
「はいはい、いいから席つこうか」
くっついてくる佳奈を無理やりひっぺがして席に座らせる。
「里美って将来ダメな男に捕まりそうだよね」
「佳奈が言うなって」
そうはいいつつも自分の将来に心配をしていると、賭けによるクラスの熱気も徐々にさめていき、先生がタイミングを見計らって口を開く。
「あーい、じゃあみんなの準備もできたところで、転校生を紹介したいと思いまーす」
一瞬の間を置いて、先ほどの比ではないほどの熱気が教室を包み込んだ。
「転校生だ! つまり美少女だ!」
どういう理論だよ。
「バカ! 美少年に決まってるでしょ!」
バカはお前だ。
「里美! 美少年だって! サラブレッドみたいな人だったらどうしよう!」
ちくしょう、私の隣もバカだった。
「おーい、落ち着けー。そんなにハードル上げられたら転校生も困るだろうが」
それもそうだ、とみんなは腰をおろす。
素直だなおい。
「はい、じゃあ、ネスキー、入っていいぞ」
ん? ネスキー? なんかどっかで聞いた気が……
先生の合図を受け、入ってきたのは、今朝の不審者だった。
だから何でいるんだこの野郎。
今朝の不審者は背筋をまっすぐに伸ばし、黒板の前に立つと、美しい字で黒板に名前を書く。
「初めまして、メガ・ネスキーです。気軽にネスキーと呼んでください」
私は叫びたくなるのを我慢し、代わりに殺意の視線を送る。
ネスキーと名乗ったその不審者は、私の視線に気が付くと、笑顔でサムズアップしてきた。
あらやだ、私の全力の想い、全然伝わってない。しょうがないからあとで行動に移さなきゃ。
私が不審者改めネスキーの殺害方法についてあれこれ考えていると、しんと静まり返っていたクラスが爆発する。
「イケメンだ!」
「ほら、言ったでしょ! 美少年!」
「いや待て、まだ女という可能性も捨てきれない!」
「この際男でも構わん!」
私はバカ騒ぎするクラスメートたちにうんざりしつつ、隣を見る。
「さっきこっちに向かって笑顔で親指立ててきたよね……え? なに? ていうかなにあの髪型……まるでサラブレッドの尻尾みたい」
佳奈の目がハートになっていた。もうお前は馬と結婚しろよ。
「えーっとじゃあ、ネスキーは興梠の隣に座れ。あ、興梠ってのはあいつのことだ」
「大丈夫です先生、里美とは知り合いなので」
何言ってんの!? ほら、視線集まってるじゃん! っていうか佳奈がめっちゃ紹介してほしいって顔で見てるし。そして下の名前で呼ぶな! 何で知ってんだ。
私は色々叫びたいのを必死にこらえる。
「おー、それならちょうどいいな、色々と教えてもらえ」
ネスキーは相変わらず姿勢よく歩き出すと、私の隣まで来て座る。
くそう、隣に座るのが自称天使の不審者とかなんの罰ゲーム? 前世で天使でも殺したのかよ。ごめんね来世の私、また同じカルマを背負っちゃいそう。
「んじゃ、朝のホームルーム終わり。解散」
先生はてきとうにそう言って教室を出る。
私は誰かが話しかけてくる前に、ネスキーの腕を掴んで教室を飛び出した。そのまま校舎裏にダッシュする。そして壁ドンをお見舞いしてやった。
「ちょっと、なんであんたがここにいるの?」
「校舎裏に連れてきたのは君だろう」
天然か。
「なんでこの学校にきてるのかってこと!」
私はたまらず大声を出してしまう。
案の定ネスキーはおびえつつ、
「い、いや……それは、もちろん、君に会うためで……」
「は?」
え? もしかしてストーカーとか? だったらまずは頭のネジを絞めなおして出直してほしい。あと髪を切れ。
「それと、悪かった……いきなり家に押しかけてしまい」
ネスキーは驚くべきことに、真剣な表情でそう言って頭を下げる。
お? もしかして頭のネジが多少は締まったのか? と期待すると、
「初めて地上に舞い降りて、舞い上がってしまったようだ」
全然締まってなかった。そして舞い降りてきたのに舞い上がるとはこれいかに……いや、今はそんなくだらないこと言ってる場合じゃなくて。
「もう、なんなの、天使だの舞い降りるだの……わけわかんない」
なんかもう疲れた。
「すまない、説明が足りなかったようだな……ちゃんと説明するから、聞いてくれないか?」
ネスキーがあまりにも真剣に言うもんだから、疲れた私はしょうがなく話を聞くことにした。先ほどの佳奈の言葉が頭に浮かぶ。もしかすると私はもう駄目な男に捕まってしまったのかもしれない。
「いいか、君は信じていないようだが、俺は正真正銘本物の天使なんだ。天から舞い降りる俺を受け止めた時のことを思い出してくれ。あれが証拠だ」
あまりにも非現実的すぎて頭から追い出していたが、確かにあれは証拠になり得るかもしれない。しかし、それで信じるほど私の頭はお花畑ではない。私が知らないだけで、色々と方法はあるのかもしれないし。
「うーん、まだ信じてくれていないようだな……しょうがない、奥の手だ」
ネスキーはそう言うと、周りに誰もいないことを確認し、ふっと体から力を抜くように表情を自然なものにした。
そして次の瞬間、驚くべきことに、ネスキーの背中から巨大な翼が出現した。
その翼は思わず目をつぶってしまいそうになるほどに眩しい。そしてそれは、太陽の光を反射するというよりは、翼そのものが白く光り輝いているかのようだ。
あまりの美しさに、思わず口を半開きにしたまま見とれる。
目に焼き付いて離れない。まるでこの世のものとは思えなかった。
「信じてくれたか?」
ネスキーの言葉で我を取り戻す。翼は姿を消していた。
私は確信した。目の前の男が本物の天使だと。
それほどまでにあの翼は美しく、非現実的で、なにより荘厳だったのだ。もし、天使ではなく神だといわれても私は信じていただろう。
「信じてくれたようだな。それでは本題に入ろうか。単刀直入に言う。君に、世界を救ってほしい」
目の前の天使はそう言って、私に信じられないような話をしはじめた。
「この世界には上から順に天使の住む天界、人間の住む地上、悪魔の住む地獄に分けられている。分けられているということはそれらの境界を渡ることに制限があるということであり、本来なら天界から地上への道が通っているだけだったのだ。ちょうど、俺が天界から地上に降りてきたようにな。だがしかし、最近になって、悪魔たちが地上へとつながる道を発見したという情報が入ってきた。悪魔たちはこれを機に地上を乗っ取るつもり――」
「ちょっと待ってちょっと待って!」
次々と語られる情報量の多さに、私の脳の容量は悲鳴を上げ、一度話を遮った。
「長い。もうちょっと短くお願い」
「分かった。簡単に言うと……」
そこでネスキーは考え込み、頭の中で重要な部分がまとまったのか、人差し指を立てて言った。
「地獄からやってくる悪魔から世界を救うためにこの眼鏡をかけて欲しい」
どこからともなく、ネスキーは眼鏡を取り出す。赤縁だった。
「ごめん、全然分からない」
なんでそうなるんだ。
ネスキーはさらに考え込み、しばらくすると天啓を得たような表情をした。
「そうだ! 魔法少女だ!」
「いや、どういうこと?」
「この眼鏡は魔法少女のステッキみたいなもので、天使が与える不思議なパワーを使うためにこれが必要というわけだ。そしてその力がなければ地上はいずれ悪魔に支配されてしまう。うん、我ながら分かりやすいたとえだ」
「うーん、なるほど、分かるような分からないような……まぁ、言いたいことは分かったけど、でも現実味がないっていうか……」
私が煮え切らない顔をしていると、ネスキーが顔の影を濃くした。
「君は天使の存在を肯定したな?」
「うん……そりゃああんなもの見せられたら」
先ほど見た純白の翼を思い出す。この世のものとは思えないほどに美しく、未だ脳裏に焼き付いて離れない。
「ならば悪魔の存在も肯定すべきだ」
ずいっと、ネスキーが顔を近づけてくる。
「わ、分かった……信じるから」
ネスキーのあまりの真剣な表情に、私は思わず首を縦にふった。
「脅すようなまねをしてすまない……だが、犠牲が出てからでは遅いんだ。天使が善意の塊だとすれば、悪魔は悪意の塊だ。何をしでかすかなど想像もつかない」
「でも、だったら天使が悪魔をやっつければいいじゃん。私たち人間よりもいろんな力を持ってそうだし」
事実、見た目はひょろい目の前の天使も、そこらの男子より足が速い私に軽く追いついて見せた。お母さんに天使の存在をいとも簡単に信じさせる謎の道具を作るような技術もあるのだ。
そのことはネスキーも分かっているのか、肯定する。
「確かに、天使には人間の何倍もの身体能力が備わっているし、技術だって天界と地上では比べ物にならないだろう」
「だったら――」
私の言葉を、ネスキーは沈鬱な表情で遮った。
「しかし無理なんだ。天使には欠けているんだ――〝攻撃性〟というものが。先ほども言った『天使は善意の塊』というのは決して比喩ではない。天使は生まれてから死ぬまで悪意や攻撃性といったものを持つことができないんだ。だから天使は人間より身体能力が優れていたところで誰かを攻撃することなどできないし、人間より優れた技術を持っていたところで兵器を作ることなどできはしない」
相手がたとえ悪魔だったとしても――と、ネスキーは付け加える。
よく分からないが、天使は暴力を振るえないということだろうか。
「だから、人間に任せるっていうわけ?」
私の責めるような言葉に、ネスキーは申し訳なさそうな表情をする。
「……そうだ。俺たち天使は、その技術力を結集させ、この眼鏡を作った。これはいわば力の源であり、使用者に莫大なエネルギーを与えるエンジンだ。そしてそのエネルギーの使い道は使用者にゆだねられる。天使が攻撃に使えないエネルギーを、代わりに人間が攻撃に使うというわけだ」
なるほど……話は通っているように感じる。自分たちには攻撃性が限りなく欠如していて悪魔たちと戦えないから、代わりに人間に力を与えて戦わせるということか。
でも。
「私ね、天使とか神様とか、そういうのが大嫌いなの。なんかさぁ、自分たちは安全なところから見下ろして、まるで気まぐれみたいに人間の前に姿を現したかと思えば、運命だとか天啓だとか言って何かを与えたり奪ったり……私はそんな、運命みたいなあやふやなものに踊らされたくない。自分の足でしっかり走りたい。だから悪いけど、他をあたって」
私はそう言って、ネスキーに背中を向ける。
後ろからはネスキーの真剣な声が聞こえる。
「待ってくれ! 約束する、君がもしこの眼鏡をかけてくれるのなら、俺は命をかける!」
何が『命をかける』だ。話を聞く限り、戦うのは私だけじゃん。
何が『善意の塊』だ。そんなのただ戦う勇気がないだけじゃん。
私はそう言って言い訳している連中が、いつの間にか同じようなことを言って陸上を辞めたお兄ちゃんと重なって、何より大っ嫌いなのだ。