1-2/2 召喚されて・・・
背中に固い感覚が伝わってくる。そして上半身を起こし目を開けてあたりを見渡す。
周りには白いローブを着ている男女が立っている。そして真ん中に周りとわ違うドレスを着た美少女が立っている。まだ幼さが残る少女だ。肩で息をしているからおそらくこの子が発動させたのだろう。
この部屋が石だけでできているから地下室なんだろう。下を見てみると何か線が入っているからこれが原因だということは予想がつく。
パッと見た感じでわかるのはこのくらいか。みんなも周りをキョロキョロと見渡している。
「姫様!成功しましたぞ!」
「ええ、本当に・・・できたのですね」
「さすがです!姫様!」
「あ、あのーこれはどういうことでしょうか・・・」
先生がそう聞くと、ハッとしたようにみんなも少女を見る。
「勇者の皆さん、この度は召喚に応じていただきありがとうございます。私がこの国、クラウス王国第二 王女のアリス・クラウスです。ここで話をするわけにはいかないので私についてきてください。」
王女はそう言いながら扉のほうへと歩いていく。
俺たちも後を追うようについていく。
その石造りの部屋を抜けると長い廊下が続いている。絵画など飾られておらず質素になっている。
しばらく進むと大きい扉の前についた。
「皆さん、着きました。この愚見の間で説明させていただきます」
「わ、わかりました」
そう言い終わると、国王の横についた。
「うむ、それでは話を始めようかの。」
そういったのは国王であり、銀髪で白いひげを伸ばしている。無駄にキラキラした服を着ている。
「ちょっと待ってくれよ。なにがどうなってるんだよ」
今抗議しているのは青山晃だ。クラスで1人はいる完ぺきな奴だ。まあ、性格があれだが。
「うむ、今から詳しく説明する。今この世界に魔王が3体いるのだ。普通は1体なのだが…だからこのままでは 国民が危険にさらされるため、倒してほしいのだ。受けてもらえるだろうか」
「それじゃあ俺たちは元の世界に戻れないんですか」
「いや、魔王3体を倒し、その魔核を魔王城の移転魔方陣にいつかえば帰れるはずじゃ」
「…少し時間をください」
「わかった。まずは個人部屋に案内しよう。1人ずつメイドをつけるのでの。そのあと食堂を用意しよう」
「わかりました」
みんな帰る方法があると聞いて安心したみたいだ。メイドと聞いて数人おかしくなっているが…
□◆□◆□◆□◆□◆
個人部屋はベット、机、棚、クローゼットと普通に便利な部屋だ。
時間もあるしスキルでもしっかり見ておくか。前は詳しく見れなかったからな。
《ステータスオープン》
〈ステータス〉
トオル・ヤマト
〈種族〉 人族 男
〈レベル〉1
〈体力〉 170「1200」
〈魔力量〉160「1530」
〈魔力〉 130「260」
〈攻撃力〉150「820」
〈防御力〉165「760」
〈俊敏〉 165「980」
〈スキル〉「眷属(鑑定 アイテムボックス ステータス偽造 自動回復〈体力・魔力〉 状態異常無効」
自動翻訳 自動書記
「???」
「縮地Lv8」
「闇魔法Lv1」 光魔法LvMAX
「体術LvMAX 刀術LvMAX 弓術Lv8」
〈称号〉 「真の」勇者 「死神の眷属」
〈精霊〉 「???」
_________________________
・鑑定
発動することで、ものを詳し知ることができる。
ステータスを見ることも可能
・アイテムボックス
任意でアイテムを収納したり、取り出すことができる。
(そのものに触れていること。ただし生き物は不可能)
・ステータス偽造
2回までステータスを作ることができる。
変更可能
・自動回復〈体力・魔力〉
自動で体力・魔力を回復する。
回復量は1分につき全体の1パーセント
・状態異常無効
状態異常にかからない。
・自動翻訳
自動で言葉を翻訳する。
・自動書記
自動で文字が書ける。
・縮地
踏み込みのスピードが上がる。
・闇魔法
闇の魔法が扱える。
・光魔法
光の魔法が扱える。
・体術
体術に補正がかかる。
・刀術
刀術に補正がかかる。
・弓術
弓術に補正がかかる。
・真の勇者
ステータスアップ『大』(パーティーメンバーに補正『中』)
〈スキル〉自動翻訳・自動書記を与える
聖属性魔法を与える(闇魔法があるため光魔法)
スキル成長補正
・死神の眷属
〈スキル〉眷属を与える
闇魔法を与える
闇魔法攻撃力アップ
ステータス補正アップ『大』
_________________________
コンコン・・・
「勇者様、準備が整いました」
「はい、わかりました」
扉を開けると、青髪青目のメイドがいた。髪は肩にかかるぐらいでそろえられている。
「それでは向かいましょうか」
「はい、お願いします」
食堂につくと、もう何人か来ていた。
長いテーブルがあり、椅子が並べられている。
俺はテーブルの一番端に座った。
目立たないために
全員がそろうと、料理が運ばれてくる。
日本のレストランを思わせる。
前の世界とは全然違う変わった料理だが、どれもおいしかった。
食事が終わると先生が切り出した。
「みんな、これからのことを話し合おうと思うの」
「はい、魔王と戦うかどうかですね。僕はそれでいいと思います。この国を守りたいし、帰れるかもしれま せんから」
「私もそう思うわ。何も目的なくするよりもいいと思うの。それに、変える方法があるのですから」
「みんなは、どう思いますか」
「俺も賛成だ」
「わ、私も賛成かな…」
・・・
「じゃあみんなで頑張って、魔王を倒して帰りましょう!」
「「「おー」」」
「「「はーい」」」
これがこの国の狙いなんだなと思う。
時間も情報も与えずに、【帰れる】という言葉を与え、選択を迫る。
これではもし、断った時に何をされるかわからない。
また、自分たちが勇者と言われて魔王なんてすぐに倒せると思っているのだろう。
だから、もともと【断る】という判断はないに等しい。
すると、会話を見ていたように笑顔で国王と王女2人が入ってきた。
「勇者様、この国を救ってくださるかどうか決まりましたかな」
「はい!僕たちは魔王を倒します!そしてこの国を守ります!」
「おぉ、誠ですかな。ありがとうございます。
あ、そういえば忘れておりましたな。皆様、《ステータスオープン》と念じてみてくだされ」
「「「《ステータスオープン》」」」
*省略
「おぉ!すげえ!」
「マジか!」
「おお~~~」
口々に感想を言っている。
隣の人のステータスを見いている者もいる。
俺は暇なので鑑定で見てみようと思う。
ざっと見た感じ高いのが5人ぐらいか。
〈ステータス〉
アオヤマ・アキラ
〈種族〉 人族 男
〈レベル〉1
〈体力〉 235
〈魔力量〉220
〈魔力〉 180
〈攻撃力〉210
〈防御力〉215
〈俊敏〉 195
〈スキル〉自動翻訳 自動書記
聖火魔法LV1
〈称号〉 勇者
〈ステータス〉
アオキ・カオリ
〈種族〉 人族 女
〈レベル〉1
〈体力〉 190
〈魔力量〉200
〈魔力〉 180
〈攻撃力〉205
〈防御力〉200
〈俊敏〉 230
〈スキル〉自動翻訳 自動書記
聖水魔法LV1
〈称号〉 勇者
〈ステータス〉
ツチダ・ヒロト
〈種族〉 人族 男
〈レベル〉1
〈体力〉 230
〈魔力量〉195
〈魔力〉 180
〈攻撃力〉210
〈防御力〉230
〈俊敏〉 170
〈スキル〉自動翻訳 自動書記
聖土魔法LV1
〈称号〉 勇者
〈ステータス〉
サクラ・ミドリ
〈種族〉 人族 女
〈レベル〉1
〈体力〉 170
〈魔力量〉240
〈魔力〉 210
〈攻撃力〉200
〈防御力〉195
〈俊敏〉 180
〈スキル〉自動翻訳 自動書記
聖樹魔法Lv1
〈称号〉 勇者
〈ステータス〉
フクシマ・アカリ
〈種族〉 人族 女
〈レベル〉1
〈体力〉 180
〈魔力量〉225
〈魔力〉 205
〈攻撃力〉230
〈防御力〉180
〈俊敏〉 190
〈スキル〉自動翻訳 自動書記
聖火魔法Lv1
〈称号〉 勇者
_________________________
・聖火魔法
光魔法と火魔法が合わさった魔法。
勇者専用
・聖水魔法
光魔法と水魔法が合わさった魔法。
勇者専用
・聖樹魔法
光魔法と風魔法が合わさった魔法。
勇者専用
・聖土魔法
光魔法と土魔法が合わさった魔法。
勇者専用
・勇者
ステータスアップ『中』(パーティーメンバーに補正『小』)
〈スキル〉自動翻訳・自動書記を与える
聖属性魔法を与える
スキル成長補正
_________________________
土田博人は黒髪黒目の背が高い。いつも青山と一緒にいる。
がっちりしているやつだ。
佐倉みどりは黒髪黒目で長い髪を伸ばしている。
いつもおどおどしていて、落ち着きがない。
福島あかりは焦げ茶の髪で目も若干茶色だ。ポニーテールにしていて、青山に好意を寄せていると思われる。
「皆さん、確認していただけましたかな?
消すときは『閉じろ』と念じるといいのじゃ」
「はい、わかりました」
「皆さんにはそれぞれ聖属性魔法があるはずじゃ」
「あ、国王様、透るには『光魔法』しかないのですが、どういうことでしょうか?」
隣に座っている土田がいった。
めんどいことになるから書き換えているのに、それを言うか…
「ふむ、まあまだ勇者になり切れていないのじゃろう。
過去にも持たない勇者がいたらしいが、ちゃんと使えるようになったらしいのじゃ」
「へー」
いやぁ、危なかった。あれで追放とかされたらどうするんだよ。
流石に何も知らない世界で無一文は厳しすぎるだろ。
「では、そろそろ精霊との契約を行うかの」
「えっ、そんなことできるんですか」
「うむ、精霊とは・・・」
体が魔力でできている。
ランクがあり、上から最上級精霊・上級精霊・中級精霊・下級精霊の4つにわかれている。
人が契約できるのは上級精霊まで(記録上)
ほとんどが中級精霊で動物の姿をしている。
最上級は人の姿をしており(記録上)、上級精霊の中でも稀に人型がいるらしい。
「では、ついてきてくれ」
「「「はい」」」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
大体このぐらいのペースで書きたいと思っています。
あくまで予定ですが。