2-3/14 みんな大好きステータス
いつもより若干短いです。
続きを書くと長くなりそうなのでいったん区切らせてもらいました。
~宿~
俺が返ってきたときにはもう2人とも準備できていた。
2人にベッドに座ってもらい、俺は椅子に座る。
風魔法で音を遮断する。←これ重要
「まずは俺たちのことから話したいところだけど」
「そうね、まずは【契約】行わないといけないかな」
「【契約】、ですか」
「そう、奴隷紋から上書きすることができる魔法で、簡単な制限があるけどほとんどないに等しいもの。そして、それ以上にメリットがある。これをかけると俺たちのことが他の人に話せなくなるけど」
「奴隷紋の上書きなんて聞いたことがありませんが・・・。」
「そうだろうね。それも含めてかけてもいいかな?」
「はい、お願いします」
前にリースにしたように【契約】をかける。
魔法陣が現れ、真ん中に腕輪が現れる。
「これをはめてね」
「はい、すごいです」
「これでも食べながら説明していこう」
そう言って俺が取り出したのは露天に売ってある焼き鳥?とスープだ。
なかなかおいしそうなにおいがしたので買ってみた。
「私の分も・・・。いいのですか?」
「フリティアはもう奴隷じゃあないんだから」
「そうだよ、そんなに遠慮することないよ。もう私たちの仲間じゃない!」
「!…ありがとうございます」
そういって頭を下げる。
まあ、もう奴隷じゃなくなって、仲間といわれるとうれしいよな。普通は・・・。
この契約の腕輪は確かにメリットが多くいいように聞こえる。
しかし、本当の目的は俺がこの2人を信頼できていないからだ。
自分でも信頼したいと思う。
それに、信用はしているし、守って絶対に死なせたりしたくないとも思う。
だが、どうしても信頼することはできない。
『もし』を考えてしまうのだ。
頭ではわかっていても変えようとしてもどうすることもできない。
これは小さいころに魂にぎざみこまれた絶望の記憶をよみがえらせる。
最初のころよりもずっと良くなってはいる。
しかし、自分の命を預けられるとはいかない。
「まずはお互いに改めて自己紹介をしよう。そしてどういう役割になるかを決めておこう」
「そうよね。そのためには私たちのことを話しておきましょうか」
俺たちは勇者で、異世界から呼び出されたこと。
魔法が使えず孤立したこと。
後瀬がパーティーメンバーになったこと。
ダンジョンでレベル上げをしたこと。
今に至るということ。
「ま、まさか、ご主人様が勇者様だったとは・・・」
「なあ、フリティア。その呼び方やめてもらえないかな」
「ですが、私を救ってくださったのです。変えるわけにはいきません」
「どうしても?」
「はい」
「はぁ、まあ、いいか」
「ありがとうございます」
「ねえ、ゼロ。ステータスを確認したほうがいいんじゃない?ゼロは見れるけど。パーティーメンバーで共有したほうがいいでしょ」
「そうだな。そうしよう」
《ステータスオープン》*( )はパーティーメンバーだけ見える
【 】は本人だけ見える
〈ステータス〉
ゼロ(トオル・ヤマト)
〈種族〉 人族【ギリギリ人族】 男
〈レベル〉15(32)
〈体力〉 850(32500)
〈魔力量〉900(250000)
〈魔力〉 800(50000)
〈攻撃力〉850(36000)
〈防御力〉850(31300)
〈俊敏〉 800(40250)
〈スキル〉【眷属】
自動翻訳 自動書記
【概念魔法】 白魔法 魔力操作 空間把握
縮地LvMAX 天歩LvMAX 身体強化LvMAX
闇魔法LvMAX 光魔法LvMAX
火魔法LvMAX 水魔法LvMAX 風魔法LvMAX 土魔法LLvMAX
体術LvMAX 刀術LvMAX 弓術LvMAX 短剣術LvMAX
隠蔽Lv5 隠密Lv5 気配遮断Lv7
〈称号〉 【死神の眷属】 真の勇者 魔法の超越者 神刀の使い手
〈精霊〉 ファミリアー(下級精霊)【最上級精霊】
〈ステータス〉
リース(アトセ・リイ)
〈種族〉 人族 女
〈レベル〉15
〈体力〉 1700
〈魔力量〉1950
〈魔力〉 1700
〈攻撃力〉1850
〈防御力〉1800
〈俊敏〉 1750
〈スキル〉自動翻訳 自動書記 天眼
魔力操作
聖水魔法Lv4
杖術Lv7
〈称号〉 勇者
〈精霊〉 シース【中級精霊】
〈ステータス〉
フリティア
〈種族〉 獣人族 白狼族 女
〈レベル〉1
〈体力〉 230
〈魔力量〉50
〈攻撃力〉240
〈防御力〉220
〈俊敏〉 250
〈スキル〉闘気Lv2
拳術Lv1
〈称号〉 一族の生き残り
「ねえ、ゼロ。なんでレベル上がってるの?前は10だったでしょ」
「ああ、これはある人との訓練の成果だよ。なんと、このステータスは戦闘経験が経験値として加算されるみたいなんだ。だから、ギリギリの訓練をしているとこの上ない経験値になるみたいだよ。そして、筋力とか言った自分自身の能力も数値として出るみたいなんだ」
「前にも聞いたけど、そのある人って誰なの?このステータスでギリギリになるってどういう人なの?」
「それは俺が言えることじゃないんだ」
そう、ある人の名は俺自身知らないし、この世では言ってはいけない。
なぜなら、言うことによって少なからず神がこの世界に干渉することになるからだ。
でも、俺が聞いた情報は眷属が干渉していることになり、問題はない。
「うーん、まあいいか。で、そこまでするとこんなに早くレベルが上がるんだね。これはいいんじゃない?少なくともゼロが相手してくれたら相当な訓練になりそうだし」
「そう、そうすればどこでもレベルが上げれるわけだよ」
「それにしてもフリティアって魔法関係は低いけど物理攻撃関係では高いな…。」
そういってフリティアのほうを向くとベッドに倒れていた。
なんか反応がないなと思っていたらまさか気絶していたとは・・・。
まあ、あんな説明されて半分は信じていなかったと思うけどステータスがそれを証明してるもんな。
しかも一般的にみると高いし、称号もおかしいもんな。
「おーい、大丈夫か?」
「はっ!申し訳ありません」
「いや、別に大丈夫だ。それに、フリティアにもリースには追い付いてもらわないといけないしな」
「わ、わかりました」
少し肩をゆすってやると気が付いたようだ。
うん、リースのステータスをみたら一般的には無理だと思うよな。
でも、【真の勇者】って便利なんだよ。
だって、これって疑似的な勇者を育てれる補正がかかるんだよ?
強すぎると思うな。別に強いに越したことはないが。
「まあ、これはきれいに分かれるよな」
「そうだね、私が後衛で魔法を打って、フリティアが前衛をしてくれればいいね」
「はい!では、ご主人様はどうするのですか?」
「ああ、俺は基本的に一人で戦うんだ。リースでもついてこれないからな。それに俺は魔法と刀のどちらも使うスタイルだから問題ないよ」
「そうなんですか!流石です!私も精一杯頑張ります」
「前衛は任せたよ!フリティア!」
「はい!頑張ります」
フリティアは尻尾を振って喜んでいる。
これまで何もできなかったんだ。
でも、強くなれることが現実味を帯びて、仲間に頼られる。
それだけフリティアにとってうれしいことなんだろうな。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
3月の10日まで更新の頻度が落ちるかもしれません。
出来るだけ水、日と更新できるように努力します。
B32/256
U2502/25600
なぜか日曜に急に増えました。とても嬉しいです!(*´▽`*)