1-10/10 現状把握と現実
もう、ネタがありません。
どうしましょう…まあ、いっか!
~ダンジョン10階層~
「じゃあ、ちょっと契約からしてもらわないといけないかな」
「契約ってどういうことですか?」
「まあ、制限としては俺の情報についてしゃべれなくなる。もちろん俺が許可したらしゃべれるけどね。効果としては、5000MPで契約した者同士で移転ができる。状態異常耐性が付く」
「あの、5000MPもないんですが」
「ああ、そこは心配しなくていいよ。対策できるから」
まあ、これ以外の効果もあるが話さないほうがいいだろう。
ついている能力は敵対行動ができないとか、俺の魔力が使えるとかもある。
あまり手札を見せるのはよくない。
いくら【契約】をしたとしても話せないこともあるのだから。
***
~概念魔法が使えるようになったころ~
『なあ、ファミリアーっていったい何者なの?精霊の枠に収まってない気がするんだけど』
『私は、精霊でもなければ神でもないものです。正確に言うと精霊でありながら神域に達した中途半端な精霊です。神域に達したことで、ここの世界とはあまり干渉を行ってはいけません。しかし、神でもないので中途半端な存在です』
『なるほど、ということはファミリアーの本来の姿(人型)では召喚できないと』
『はい、その通りです。できないことはないですがリスクが大きすぎますね』
それは、重大な問題だ。
カラスの姿ならいけるが、あれはあくまで偵察を主としたものなので上級精霊並みだ。
これではいけない。何かほかの方法を使わないと。
『じゃあ、可能なことは何なんだ?』
『可能なことですか・・・。精霊は契約者に武器として力を与えることができます。これを【精霊武装】といいます。ですが、この情報はまだ知られていませんし、できる精霊自体少ないです。そして、精霊より契約者が大きな力を持つならば、【精霊化】ができます。こちらは精霊武装よりも知る精霊が少なく、それぞれ大4精霊とその側近しか知りません。それに、それぐらいしかできません』
『つまり、今の状態では【精霊武装】しかできないのか、でも魔王を倒すのなら【精霊化】できるようにならないとな。つまり神域に達しないといけない』
『そのとうりです』
これは驚いたな。まさかそんなことができるとは。
さすが死神様に仕える唯一の精霊だ。
その知識と力は神域に達している。
『いやぁ、でもよかったよ』
『何がですか?』
『ん?だって精霊が神域に達することができるならば俺もできないことはないわけだ。ということは、タケルさんにも勝てる可能性はあるわけだ』
そう、もう会うことはないだろう。でもタケルさんを死神様は知っている。
ならば勝ちを求めてもいいじゃないか。
ただ、俺は一生勝てない実力でいるのが嫌なだけだ。
俺に命を与えてくれた、剣を与えてくれた。
だから、そこまでの実力をつけないとタケルさんに失礼だ。
『ありがとうございます』
『ああ、だからよく見といてくれ。意地でも神域に達するから。そのときはしっかり頼むぞ』
『はい、もちろんです』
*ファミリアーSIDE*
マスターはこの中途半端な私を受け止めてくださるのですね。
精霊でもなく、神でもないこの私を。
直接言葉にされたわけではありませんが、わかります。
マスター自身が神域に達することで私は一人ではなくなる。
そうすれば私が私自身を認められるのではないかと。
ああ、マスターは優しい人です。この私は何があろうとマスターの力になりましょう。
しかる時が来る時まで、私は今できることをしておきましょう。
それがマスターに対する誠意です。
***
~ダンジョン10階層~
「それじゃあ、始めよう」
「はい、ええと、どうすればいいですか?」
「ああ、そこにたって右手を前に伸ばしといてくれればいいから」
「わかりました」
俺は後瀬に向かい合う形になる。
そして俺も右手を伸ばす。
【概念魔法・契約】発動。
地面に魔法陣が現れる。
二人がたっているよりも大きな魔方陣が右に左に回っている。
そして、二人の手の間から光が現れる。
作られたのは【契約の腕輪】。
これは発動したものにしかつけられない。
「よぅし、うまくいった」
いやぁ、やはり概念魔法は疲れるわ。なにしろ一気に魔力がもっていかれるから、ずっと魔法を使うよりも疲れるのだ。
「じゃあ、これをはめて」
「は、はい」
そういって腕輪を渡す。
後瀬がはめたのを確認すると、
「そろそろお互いのステータスを確認しようか」
「そうですね。なんでこんなことができるのかをふくめて」
若干後瀬が威圧をかけてきている。
これはいろいろと説明しなければ、命が危ない。
まずはステータスからかな。
〈ステータス〉
トオル・ヤマト
〈種族〉 人族 男
〈レベル〉10
〈体力〉 5450
〈魔力量〉5340 【250000】
〈魔力〉 4300 【50000】
〈攻撃力〉4870
〈防御力〉4830
〈俊敏〉 4990
〈スキル〉【眷属】
自動翻訳 自動書記
【概念魔法】 白魔法 魔力操作 空間把握
縮地LvMAX 天歩LvMAX 身体強化LvMAX
闇魔法LvMAX 光魔法LvMAX
火魔法LvMAX 水魔法LvMAX 風魔法LvMAx 土魔法LvMAX
体術LvMAX 刀術LvMAX 弓術Lv8 短剣術LvMAX
〈称号〉 【死神の眷属】 真の勇者 魔法の超越者
〈精霊〉 ファミリアー【下級精霊(最上級精霊)】
〈ステータス〉
アトセ・リイ
〈種族〉 人族 女
〈レベル〉15
〈体力〉 1700
〈魔力量〉1950
〈魔力〉 1800
〈攻撃力〉1750
〈防御力〉1800
〈俊敏〉 1750
〈スキル〉自動翻訳 自動書記 天眼
魔力操作
聖水魔法Lv3
杖術Lv3
〈称号〉 勇者
〈精霊〉 シース【中級精霊】 (ウミヘビ)
(・_・D フムフム
レベルは低いがなかなか高めなんじゃないか?
勇者としてはだが。
あー、この天眼っていうのがあるから目がいいのね。
これは天性のものだから後瀬の才能としてとらえるべきか。
「なにこれ!え、え?これほんと?」
「うん、そうだよ。でもこれじゃあまだまだだけどね」
とても焦ったような見てはいけないものを見たような感じになっている。
まあ、こんな数値見せられたらそうなるよな。
だって、一番弱いと思ってたのにこれなんだから守るっていうよりも守られる側なんだもんな。
悲しいよな、うんうん、そうだと思うよ。
「じゃあ、これがほんとだとして・・・」
「これがあれで・・・」
・・・・・
・・・・
・・・
ずっと説明をする羽目になった。
ちょっとめんどくさいとか思ってないよ?
そんないちいち驚くからってめんどくさいなんて思ってないからね?
ほんとだよ?・・・たぶん・・・
「あー、なんか疲れたよ。もう透君が常識はずれなのはよくわかったよ。もう何が起こっても納得するよ」
「ははは、それはそうだけど、魔王を倒すんだから弱くては勝てないよ」
「うん、そうだよね」
「ということで明日からは本気で行こうか」
「え!何するの?」
「まず、20階層で魔石を集めて資金をためる。そのうちにレベル上げと技術を上げる。上げないと勝てないからね。頑張ってね。で、ここを出て魔力量を増やしながら奴隷でも買おうかな。それが今のところの目的だね」
「魔石とレベルとかはわかるけど、魔力量と奴隷はどういうこと?レベル上げ以外で伸びるの?」
そう、この世界ではステータスは(スキルを除く)レベル上げをしないと伸びないと考えられている。
実際は少しだけ伸びるのだが、レベルを上げたほうが断然早いということもある。
しかし、魔力量はべつだ。
これを使い果たしてしまうと死んでしまうが無意識にストップがかかるので問題ないが、普通の場所だと危険すぎるため誰も行わない。
また、知られていないのも大きい。
そこで【概念魔法】を使い、例の場所(死神様と会う場所)だと問題ないのでそこに似た空間を作った。
こうすれば何の問題もない。
ちなみに時間の進み方もだいぶ遅くなっている。
「魔力のほうは俺が場所を用意する。奴隷のほうだが、目的としてはこの世界についてこの世界の住人に聞くため。奴隷だと嘘をつけないからな。次に、前衛を確保するため。そして俺がいなくてもパーティーとして行動するためだ」
「うーん、まだ納得できてないけど嘘はついてないからいいよ。そうする」
「ああ、ごめんな。でも緊急時には対応できるようにしておかないといつ何が起こるかわからない世界だからな」
「うん、そうだね」
この翌日から透による《対魔王訓練》が開始された。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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