1-1/1 俺の主は死神様
初投稿です。
俺は大和透。茶髪で黒目の普通(?)の高校生だ。
18歳で両親はいないが、ヤマト・タケルさんが父親代わりとして養ってもらている。
4歳ぐらいに『ある事件』で両親を失った。それからは、タケルさんのところで体を鍛えさせてもっらている。この人は何も出来ないのに、武術だけは人間なのかと思うほど強かった。4歳からずっと教えてもらってきたが、まだ一度も勝てていない。最近やっとまともに戦えるようになった。
今は、俺の通っている高校でクラス会議が始まるところだ。
「は~い、みんなすわって」
と、指示しているのは、このクラスの担任である石水沙羅先生だ。まだ先生としての経験が浅いが、生徒のことを想ういい先生だ。そんな人だから、クラスでも人気だ。
「じゃあ、委員長おねがいね」
「はい、これから2学期のクラス会議を行います...」
この委員長である青木夏織、非常にリーダーとしてクラスをまとめるのがうまい。そして顔立ちが整っており、学年の男女共々人気が高く、先生からの信頼も厚い。
ちなみに俺は、クラスの端で本を読んでいるといった感じで、常に目立たないようにしている。
何故かというと、『ある事件』があって、人は信じてはいけないと感じた。
犯人が俺の大切な両親を奪うところを見た。
何もしてない人を容赦なく殺した。
憎かった。許せなっかった。こんなことをした人間が。それをただ見ていた人間が。そして、何もできなっかった自分自身が。
そんな時、タケルさんが俺を助けてくれた。
あの時、タケルさんが助けてくれなかったら、俺の心は壊れていただろう。だから、タケルさんは信じれた。だから、あんな事にならないように鍛えてもらっている。でも、他の人は信じれなくなった。
「それでは、次の議題にうつりま...
そう言ったとき、突然教室が光にのみこまれた.....
◆□◆□◆□◆□◆
「ん?ここは、どこだ?」
周りを見渡しても何もなく、ただ白い、真っ白な空間があるだけだ。
「こんにちは、トオルさん」
「えっ!?あなた誰ですか!?」
そこにはさっき何もなっかったはずのところに、純白のドレスの様な服を身に纏った銀髪の美女がいた。
俺と同じぐらいの高さで出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでいるという完成された感じがする。
俺は175ぐらいだから女性としては少し高い印象を受ける。
「私は、光の女神です。異世界から異世界への召喚に関する干渉があったのでここに来てもらいました」
「なるほど、ということは、これから違う世界に呼び出されるわけですね」
「はい、そのとうりです。理解が早くて助かります。しかし、貴方に会いたいと武神が言ってますので少し 時間を頂きます」
「やあ、君がヤマト・タケルの弟子のトオルだな」
「はい、そうですが…」
「うむ、私は武神だ。眷属のタケルから聞いているぞ。ただの人間だが、タケルに劣らない実力を持ってい るとな」
「ええ!!タケルさんって武神様の眷属だったんですか。道理で強すぎるわけですか」
この武神様は赤髪赤眼の顔立ちが整っている美女だ。赤い鎧をまとっており俺よりも少し高いぐらいだ。
だいたい180ぐらいだろうか。胸は控えめだ。
「それでな、これから行く世界は魔法が存在する世界だ。そこで、眷属が世話になったということでな、この刀をお主に渡そうと思う」
どこから取り出したのかわからないが、その手には鞘に納まった刀が握られていた。
「ありがとうございます」
と言いながら、その刀を受け取った。
俺は魔法があると聞いてワクワクしていた。
しかし、魔法があり、刀を渡すということは、それだけ日本よりも命が軽い世界だということは想像しやすい。いや、実際に軽いのだろう。
だから、あの時のようなことがまた起こってしまうのではないかと不安になった。
また、あの時は俺は生き残ることができた。だからこれまでタケルさんに鍛えてもらった。じゃあ次も同じように生き残れるとは限らない。
そんな考えが俺の頭の中をまっわて、少し恐怖を感じた。
そんな時、
「ねぇ、君誰?」
と真っ黒なフードを被った、神だと思われる人が声をかけてきた。声からして女性だと思われる。
背が低く、子供かと思うほどだ。
また突然なことだったが、もう驚かない。そういうところだと思うようにすることにした。
「えっと、タケルさんにお世話になったトオルといいうものです」
「あーなるほどね。人間にしては強いと思ったんだよね~。ちなみに僕は死神だよ。
あっそうだ!ねぇ、トオル君、君、僕の眷属にならない?」
「えぇ!眷属ですかぁ?」
もう驚かないと決めたのだが、さすがに眷属になってみないと聞かれると、驚くしかなかった。この人が死神だということよりも。
「っていうか眷属って何ですか?何か能力とかもらえるんですか?」
「えーっとねぇ、まず眷属っていうのはね、その世界に住んでいて、その世界についての情報を僕たち神に渡す者たちのことさ。で、眷属になると寿命がなくなって歳を取らないんだよ。そして、今から行く世界の場合だと、【神の眷属】という称号が得られる。これから便利スキルが得られるのさ。でもね、どう考えてもおかしいから眷属スキルでごまかしながら暮らしているんだよ。そうすると眷属が納得できないから、できる範囲の望みはかなえてあげてるのさ。で、どうだい?僕は君のような強くてもなお強さを求める人がほしんだよ」
まあ、眷属については分かった。でも、寿命がないのとごまかしながら暮らすっていうのは納得できないなと思う。でも、眷属スキルはほしいんだよな。
「死神様、人間のままで普通の生活ができて尚且つ俺に力をください。我が儘だとわかっていますが宜しく お願いします」
俺はここで意思をはっきり伝えないといけないと感じた。だから無理だとは思うが死神様に伝えてみた。
「うーん、そーだねぇ。トオル君はどうやって力をつけるつもりなの?」
「それは、ぜひ死神さんにご指南していただきたいと思いまして」
「なんでそう思うのかな?」
「はい、やはり自分で実際に訓練をして成長しなければ、それは力とは言えないと思いますし、人からも らった借り物の力では本当に守りたいものを守れないからです」
「うん、さすが武神が認めただけはあるね。いや、それ以上かな?よし、僕、死神はその条件でトオル君を 眷属にすることにするよ」
そう死神様が言ったかと思うと手に黒い球が現れた。そしてそれを俺の胸の位置に持ってくるとだんだんと吸収されるように沈み込んでいった。
身体からさっきまでなかった不思議なものを感じるようになった。これが魔力だと思われる。
「よし、これでトオルは僕の眷属になったはずだよ。《ステータスオープン》って念じてみて」
「あっはい」
《ステータスオープン》そう念じてみると目の前に透明なガラス状のものが現れた。
ステータス
トオル・ヤマト
〈種族〉 人族 男
〈レベル〉 1
〈体力〉 1200
〈魔力量〉1530
〈魔力〉 270
〈攻撃力〉820
〈防御力〉760
〈俊敏〉 980
〈スキル〉眷属(鑑定・アイテムボックス・ステータス偽造‹2›・自動回復‹体力・魔力›・状態異常無 効) 自動翻訳 自動書記
???
縮地LvMax
闇魔法Lv1 光魔法LvMax
体術LvMax 刀術Lv8 弓術Lv8
〈称号〉 真の勇者 死神の眷属
〈精霊〉 ???
これは…すごいのか?まあ、能力を除いてみると、眷属スキルは半端ないわ…これ便利すぎじゃないか?
しかも〈???〉っていうのがすごく気になるし
精霊の〈???〉ってどういうことだ?契約とかした覚えはないし…
ん?左手の甲に鎌のような模様があるな。
「おぉ、これはすごいですね」
「あぁ、さすがというべきか」
「ん?どうしました女神様」
「いや、勇者でもレベル1でこのステータスはみたことがありませんね」
「うん、私もだ」
「さすが僕の眷属だね、もう勇者の覚醒してるしね。もう何も言えないね」
あー、なんか死神様が受け入れてないような気がするのは気のせいなのかな?
うん、気のせいだ。そういうことにしよう。
基準がわからないけど、まあ、強いんだろうな。
「ところで死神様、この左手の甲にある模様って何ですか?」
「ん~、えっとね。ぼくの眷属の証だよ。うん」
「なるほど、では勇者の覚醒とは何ですか?」
「ある一定の力を持ち、ちゃんと扱えるようになると覚醒するんだよ。まあ、その一定の力っていうのがそれぞれ違ってくるから勇者の称号を持っているからって言っても必ず覚醒するとは限らないんだけどね。そうすると、また新しい能力をゲットできるのさ」
「えっでも何が増えたのか全く分からないんですが…」
「まあ、恐らく〈???〉なんだろうね。あとスキルレベルがあるでしょ。あれはレベルによって上がるからレベルが低くても弱いというわけじゃないから気を付けてね」
ああ、確かに手に入れたばかりの力をまだ扱えてないから〈???〉なんだな。
ということはまだまだ強くなる道があるということか。これは今後の目標だな。
「なあ、このままだとあっちでいろいろ面倒なことにならないか?こんな勇者を使わない国はないだろう よ」
「それは大丈夫だよ。トオル、ステータス偽造を使ってみて」
使うってどうやって?もしかしてステータスは念じたからこれも同じようにすればいいのかな?
まあ、試してみるか。
〈ステータス偽造〉
すると今度はステータス画面の数値やスキルが表示されていないものが出てきた。
「これはね、能力値やスキルをステータスごと誤魔化すというスキルでね。眷属や僕たち神にとってはとても重要な能力だからとても重宝しているんだ。まあ、専用スキルだけどね」
「なるほどな、これならトオルもこまらないな」
「あのー、これってどれくらいが普通ですかね」
それから神様たちにいろいろ教えてもらいながら調整していった。アイテムボックスについてもここで教えてもらった。便利すぎてゲームかと思うほどだった。
その結果、このようになった。
《ステータスオープン》
ステータス
トオル・ヤマト
〈種族〉 人族 男
〈レベル〉1
〈体力〉 170
〈魔力量〉160
〈魔力〉 130
〈攻撃力〉150
〈防御力〉165
〈俊敏〉 165
〈スキル〉光魔法LvMax
〈称号〉 勇者
能力値は平均値よりも低めにした。弱すぎず強くもない。まさに目立たないことを目的としただけはある。
でもこれで、異世界のレベルを知れてよかった。もちろんレベル1だからもっと強い人や強い魔物もいるが、レベル1だと最強らしい。
まあ、ステータスに現れないものもあるのでまだまだ未熟なのだ。だから慢心せず、いや、本当に命を懸けて強くならなければならない。
生きるために・・・
「よし、今回はここまでかな。じゃあ明日から訓練という名の殺し合いを始めよう」
「いってらしゃい、トオルさん」
「じゃあな、トオル」
「はい、ありがとうございました。そしてよろしくお願い致します」
すると目の前が真っ白になって意識が薄れていった・・・
よんでいただきありがとうございます。
「あの事件」は凶悪な銀行強盗です。